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I Wanna Be Loved
- 作曲: GREEN JOHN

I Wanna Be Loved - 楽譜サンプル
I Wanna Be Loved|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「I Wanna Be Loved」は、作曲家Johnny Green(表記:GREEN JOHN)による楽曲で、作詞はEdward HeymanとBilly Rose。発表年は1933年とされ、アメリカン・ポピュラーからジャズへと定着したバラード。恋愛への切実な願いを核に、歌唱の表現力を試す定番曲として知られる。
音楽的特徴と演奏スタイル
多くの演奏でスロー〜ミディアムのバラード・テンポが採用され、繊細なダイナミクスと間合いが要。序奏でルバートを置き、主部ではシンプルな旋律を濃密なハーモニーで支える解釈が一般的。ボーカルは語り口を重視し、フレーズ末尾のニュアンスやブレス位置が曲想を左右する。ピアノやギターはテンションを控えめに配し、歌詞の情感を前面に出すバッキングが効果的とされる。
歴史的背景
1930年代のブロードウェイ/ポピュラー曲の系譜に連なる一曲で、同時代のスタンダード同様、ダンスホールやラジオを通じて広まった。作曲者のJohnny Greenは「Body and Soul」などでも知られ、抒情性の高いメロディ作りに長けていた。本曲もその資質を受け継ぎ、後年に至るまで歌い継がれるレパートリーへと成長した。
有名な演奏・録音
代表例として、Dinah Washingtonによる1950年の録音が広く知られ、同曲の知名度を大きく押し上げたとされる。ほかにも複数のジャズ・シンガーやビッグバンドが取り上げているが、網羅的なディスコグラフィーは情報不明。映画での顕著な使用例も現時点では情報不明で、使用記録は要個別確認となる。
現代における評価と影響
今日ではジャズ・クラブや音大の実技でも取り上げられ、歌詞と旋律の密度を測る教材的な位置づけも持つ。キーやテンポの自由度が高く、デュオからコンボ編成まで適応可能。配信時代においても、静かな熱量を届けられるレパートリーとして選曲価値があり、プレイリスト文脈でも継続的に支持を受ける。
まとめ
「I Wanna Be Loved」は、率直な恋情を丁寧に描くジャズ・バラード。過度な技巧よりも語りの説得力が生命線で、時代を超えて歌い継がれる理由もそこにある。録音史の細部に未解明点は残るが、演奏者・聴き手双方に余韻を残す名品として、今後もスタンダード・レパートリーの核であり続けるだろう。