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I'm Wishing

  • 作曲: CHURCHILL FRANK E
#洋楽ポップス#スタンダードジャズ
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I'm Wishing - 楽譜サンプル

I'm Wishing|作品の特徴と歴史

基本情報

「I'm Wishing」は、ディズニー映画『白雪姫(Snow White and the Seven Dwarfs)』(1937)に登場する挿入歌。作曲はフランク・E・チャーチル、作詞はラリー・モリー。劇中では白雪姫の声を務めたアドリアナ・カセロッティが歌い、井戸で願いをささやく印象的なシーンを形作る。のちに王子(歌声:ハリー・ストックウェル)が現れ、「One Song」へ自然に接続する構成が採られている。物語の核心である“願い”のモチーフを端的に提示するナンバーである。

音楽的特徴と表現

柔らかく素朴な旋律線と、可憐なソプラノのレガートが特徴。井戸の反響を生かした“呼びかけと応答”の演出が聴覚的な奥行きを与え、動物たちのさえずりとオーケストラが穏やかに溶け合う。過度な技巧を避けた和声進行により、純真さと希望が前面に出る。映像のタイミングと呼吸が緊密に連動し、アニメーションと音楽のシンクロ性を高いレベルで実現している。

歴史的背景

『白雪姫』は世界初のカラー長編アニメーションとして公開され、ディズニー音楽の語法を確立した作品群の一つ。「I'm Wishing」はキャラクターの内面を歌で語らせるミュージカル的手法の早期例で、同作の物語運びを音楽で支える役割を担った。フランク・E・チャーチルとラリー・モリーのコンビは、本作の他曲とも一体感のある様式を提示している。

使用された映画・舞台(該当時)

本曲は劇中前半、城から逃れた白雪姫が森の井戸で願いをかける場面で使用。王子が歌声を聞きつけて登場し、曲は「One Song」へと移行する。オリジナルの歌唱はアドリアナ・カセロッティ、王子の歌はハリー・ストックウェルが担当。サウンドトラック各種再発盤にも収録されている。

現代における評価と影響

「I'm Wishing」はディズニー初期のロマンティック・バラードの典型として位置づけられ、公式サウンドトラックやコンピレーションに継続的に収録。映画音楽やディズニー楽曲を扱うコンサートで取り上げられることもある。作品の中核テーマを象徴する一曲として、世代を超えて親しまれている。

まとめ

素朴な旋律、美しいソプラノ、場面と一体化した演出により、「I'm Wishing」は『白雪姫』の物語を優しく導く鍵曲となった。願いと希望という普遍的な感情を、アニメーションと音楽の融合によって端正に描き出した点が、今日まで評価される理由である。