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Doggin' Around

  • 作曲: EVANS HERSCHEL,BATTLE EDGAR WILLIAM
#スタンダードジャズ
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Doggin' Around - 楽譜サンプル

Doggin' Around|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Doggin' Aroundは、テナー奏者ハーシェル・エヴァンスと編曲家エドガー・バトルが手がけたジャズのインストゥルメンタル。スウィング時代のビッグバンド・レパートリーとして広く知られ、特にカウント・ベイシー楽団の演奏で定着した。発表年や初演の詳細は情報不明だが、現在もビッグバンドやコンボで演奏されるスタンダードである。

音楽的特徴と演奏スタイル

リフを核にした12小節ブルース系の構成が多く、サックス・セクションとブラスのコール&レスポンス、終盤のシャウト・コーラスが聴きどころ。テナー・サックスにスポットが当たる編成が一般的で、スウィングの4ビートに乗る軽快なウォーキング・ベースとシンプルなピアノ・コンピングが推進力となる。テンポやキーは演奏者によってさまざまに変化する。

歴史的背景

1930年代のカンザスシティ・ジャズに端を発するリフ文化の申し子ともいえる一曲で、ホットでブルージーなフレーズを反復しながらグルーヴを高める手法が色濃い。ハーシェル・エヴァンスはベイシー楽団の看板テナーとして活躍し、その豪胆な音色とスウィング感が楽曲のイメージ形成に大きく寄与したとされる。出版や初出媒体の詳細は情報不明。

有名な演奏・録音

もっとも広く知られるのはカウント・ベイシー楽団による録音とライヴ演奏で、セクション・リフの切れ味とテナー・ソロの存在感が定番化した。その後も多くのビッグバンドや学生バンド、ジャム・セッションのレパートリーとして取り上げられている。なお、1960年にジャッキー・ウィルソンが歌った同名の別曲があり、本作とは無関係である。

現代における評価と影響

即興とアンサンブルのバランスが学習教材として優れていることから、教育現場でも頻繁に扱われる。シンプルな素材をリフで磨き上げるスウィング美学の好例として、アレンジの自由度も高い。テナー・サックス奏者にとっては、音色とタイム感で歌う模範曲として位置づけられている。

まとめ

Doggin' Aroundは、ブルース由来のリフを土台にスウィングの快感を凝縮したインストゥルメンタルの名曲である。詳細な成立情報は不明ながら、ベイシー楽団を通じてジャズ・スタンダードとしての地位を確立し、今日もステージと教育の現場で生命力を保ち続けている。