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In the Still of the Nite
- 作曲: PARRIS FREDERICKE L

In the Still of the Nite - 楽譜サンプル
In the Still of the Nite|歌詞の意味と歴史
基本情報
「In the Still of the Nite」は、米コーラス・グループ、ザ・ファイヴ・サテンズが1956年に発表したドゥーワップ・バラード。作詞作曲はFred Parris。柔らかなリードと分厚いコーラス、スローテンポの12/8系リズム、サックスを活かしたアレンジが特徴で、英語詞のポップ・ソングとして広く親しまれている。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、夜の静けさの中で恋人と交わす誓いを中心に、愛の永続を願う心情を描く。囁きのようなリードとコーラスのコール&レスポンスが「記憶に刻みたい一瞬」を音で補強し、甘いロマンティシズムとほのかな不安が同居する。具体的な物語性よりも、雰囲気と情感の共有に重心が置かれている。
歴史的背景
50年代半ば、アフリカ系コミュニティを中心にグループ・ハーモニーが隆盛。教会や学校の地下など残響のある空間で録音されることも多く、本作もコネチカット州ニューヘイブンの教会地下で収録されたことで知られる。ストリートのコーラス文化とポップ市場の橋渡しを果たした象徴的作品となった。
有名な演奏・映画での使用
オリジナルのザ・ファイヴ・サテンズ版はオールディーズの定番として定着。90年代にはBoyz II Menが「In the Still of the Nite (I’ll Remember)」としてカバーし、世代を超えて再評価が進んだ。映画『ダーティ・ダンシング』での使用でも広く知られ、スクリーンとダンス・フロア双方で愛用されてきた。その他の個別作品名は情報不明。
現代における評価と影響
今日もオールディーズ番組やウェディングのスロウ・ダンスで頻繁に選ばれ、ドゥーワップの教科書的存在と見なされる。シンプルな循環コードと美しいハーモニーは、多くのヴォーカル・グループやR&Bアーティストに手本として引用され、レコーディング技法やアカペラ編成の点でも影響を及ぼし続けている。
まとめ
「In the Still of the Nite」は、夜という情景に普遍的な愛の感情を投影した、ドゥーワップの精髄。年代を越えて歌い継がれる理由は、簡潔なメロディ、温かなコーラス、そして心に残るロマンティックなムードにある。入門にも最適で、ジャンルの歴史を知る上でも外せない一曲だ。