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It's De-Lovely

  • 作曲: PORTER COLE
#スイング#洋楽ポップス#スタンダードジャズ
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It's De-Lovely - 楽譜サンプル

It's De-Lovely|楽曲の特徴と歴史

基本情報

‘It's De-Lovely’ はコール・ポーターが作詞作曲し、1936年のブロードウェイ『Red, Hot and Blue!』で初披露。洒脱な語呂遊びとスウィング感で人気を博し、いまやアメリカン・ソングブックを代表するジャズ・スタンダードとして広く演奏されている。

音楽的特徴と演奏スタイル

中速スウィングが定石。会話的な抑揚をもつ旋律が滑らかなステップ進行と飛躍を交え、歌詞の“de-”による機知をリズムと強勢で際立たせる。和声は副次属や循環進行を軸に、ジャズではトライトーン・サブや経過和音で拡張可能。ボーカルは子音処理と間合い、器楽はモチーフ反復やコール&レスポンスで洒脱さを演出する。

歴史的背景

1930年代ブロードウェイの黄金期に生まれ、本曲はエセル・マーマンらの舞台で注目を集めた。都会的ユーモアと上品なダンス性は当時の社交文化と響き合い、後年は映画『エニシング・ゴーズ』(1956年)などで再び脚光。ポーターの作風を象徴する代表曲として定着していく。

有名な演奏・録音

初演の成功後、多くの歌手・ビッグバンド・ピアノ・トリオが録音し、ステージではデュエットやダンス・ナンバーとしても親しまれた。映画版での華やかな振付は楽曲の大衆的認知を押し上げ、以降もコール・ポーター特集やスタンダード集で継続的に取り上げられている。具体的演奏者の網羅は情報不明。

現代における評価と影響

英語の語感とリズムの一致を学べる教材曲としても重宝され、ジャム・セッションからレビュー公演まで場面適応力が高い。原曲の気品を保つ古典派解釈から、再ハーモナイズや二拍三連を用いるモダン解釈まで幅が広く、世代やジャンルを超えてカバーが続く。

まとめ

言葉遊びの快感とスウィングの推進力を兼ね備えた『It's De-Lovely』は、1936年の初演以来、舞台とスクリーン、そしてジャズ現場で生き続ける名曲。入門者にも上級者にも多彩な表現の余地を与える、時代不問のスタンダードである。