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It's Impossible

  • 作曲: MANZANERO CANCHE ARMANDO
#洋楽ポップス
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It's Impossible - 楽譜サンプル

It's Impossible|歌詞の意味と歴史

基本情報

「It’s Impossible」は、メキシコの作曲家アルマンド・マンサネロ(MANZANERO CANCHE ARMANDO)が手がけた「Somos Novios(1968)」を英語化した楽曲。英語詞はSid Wayneによるもので、1970年に発表され広く知られるようになりました。ボレロの情感を湛えたポップ・バラードとして位置づけられ、英語圏とラテン圏の橋渡しをした代表曲のひとつです。代表的な録音としてペリー・コモのシングルが著名で、その後も多数の歌手がカバーを重ねています。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、理屈を超えて相手を愛してしまう心情を、比喩や強い断定で描く恋愛賛歌です。「不可能」に見えることも愛の前では当然のように成し遂げられる、という表現が連なり、誇張法を通じて“確信に満ちた愛”を印象づけます。切々としたメロディと相まって、成熟した大人のロマンティシズムが際立つのが特徴。嘆きではなく肯定の語り口で、相手への献身や関係の不可欠性を静かに強調していく構図が、世代を超えて支持される理由と言えます。

歴史的背景

1960年代のラテン音楽シーンで、ボレロは洗練された都会派の恋愛歌として確固たる地位を築いていました。マンサネロはその一翼を担い、「Somos Novios」はすぐに広く歌われるように。1970年、Sid Wayneによる英語詞「It’s Impossible」が登場すると、同曲は英語圏ポップスのスタンダードへと拡大。ラテンの叙情を損なわず、英語の音韻に自然に溶け込ませた改作の妙が世界的普及を後押ししました。

有名な演奏・映画での使用

代表的録音としてはペリー・コモのバージョンが知られ、以後、アンディ・ウィリアムス、シャーリー・バッシー、ジョニー・マティス、エルヴィス・プレスリー(ライブでの歌唱)など、多くの名唱が残されています。原曲「Somos Novios」はルイス・ミゲルらが取り上げ、スペイン語版としての生命力も持続。映画での顕著な使用例は情報不明ですが、テレビやコンサートのリバイバルで頻繁に取り上げられ、国や言語を越えて歌い継がれています。

現代における評価と影響

本曲は、情感の豊かさと旋律の美しさ、そして言語を超える普遍性により、いまもボーカリストの定番レパートリーとなっています。レンジとレガート、ダイナミクスのコントロールが試されるため、歌唱力を示すバラードとして選ばれる機会が多い点も特徴。配信時代においてもカバーの更新が続き、プレイリストや歌謡ショー的な企画で再評価が進行。ラテンと英語圏ポップスの往還を象徴する一曲として、音楽教育やアレンジの題材にも適しています。

まとめ

「It’s Impossible」は、ボレロの香気と英語ポップの洗練を兼ね備えた恋愛バラード。原曲「Somos Novios」の普遍性を受け継ぎ、数多の名唱を生み出してきました。映画での使用は情報不明ながら、カバーの豊富さが作品価値を物語ります。時代を超えて響くメロディと、揺るぎない愛を語る歌詞表現は、現在も多くの聴き手に新鮮な感動を与え続けています。