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It's You Or No One
- 作曲: CAHN SAMMY, STYNE JULE

It's You Or No One - 楽譜サンプル
It's You Or No One|楽曲の特徴と歴史
基本情報
『It's You Or No One』は、作曲Jule Styne、作詞Sammy Cahnによる1948年の楽曲。映画『Romance on the High Seas』のために書かれ、ポピュラー・ソングとして発表されたのち、ジャズ界で広く演奏されるようになった。歌詞付きの作品だが、インストゥルメンタル演奏でも定番化している。出版年や初出媒体は記録が残る一方、当時の具体的なチャート成績は情報不明。
音楽的特徴と演奏スタイル
明快で跳躍感のある旋律と軽快なスウィング感が特徴。コード進行はジャズ的な循環を含み、即興に適した変化感を備えるため、アップテンポからミディアム・ファストでの演奏が好まれる。ヴォーカルではストレートで流麗なメロディを際立たせ、器楽ではビバップ語法のラインやトレード・フォーなど、即興の見せ場が設けられることが多い。
歴史的背景
第二次世界大戦後のアメリカで、映画音楽とポピュラー・ソングが相互にヒットを生む時代に誕生。作家コンビのCahn & Styneは、映画や舞台のために数多くの名曲を残し、本作もその流れの中に位置づけられる。スクリーンで紹介された後、楽譜出版とレコード流通を経て、ダンス・バンドやジャズ・コンボに取り上げられ、スタンダード化が進んだ。
有名な演奏・録音
初出は映画『Romance on the High Seas』(1948年)。以降、ヴォーカル/インスト双方で多数の録音が残され、ビバップ〜ハードバップ期のミュージシャンにもレパートリーとして定着した。特定の「決定的名演」を一意に挙げることは難しく、代表盤の網羅的リストも情報不明だが、ジャム・セッションやライヴ録音での採用例が非常に多いのが特徴である。
現代における評価と影響
今日では、ジャズ教育の教材やリアルブック系譜のレパートリーとして扱われ、ステージのテンポ・アップ曲やクロージング・チューンとして選ばれることが多い。メロディが覚えやすく、和声進行が即興練習に好適なため、若手からベテランまで幅広い層に親しまれている。映画由来のポピュラー曲がジャズ標準曲へと根付いた典型例として評価される。
まとめ
『It's You Or No One』は、映画発のポピュラー曲として生まれ、歌詞付きの魅力とジャズ即興の器としての強さを兼ね備えた一曲である。明快な旋律と推進力のある進行が、多彩な解釈を可能にし、現在も演奏現場で生き続けている。初出の詳細記録以外の細部には情報不明もあるが、スタンダードとしての地位は揺るがない。