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星条旗よ永遠なれ
- 作曲: SOUSA JOHN PHILIP

星条旗よ永遠なれ - 楽譜サンプル
星条旗よ永遠なれ|楽曲の特徴と歴史
基本情報
ジョン・フィリップ・スーザ作曲の愛国行進曲。英題は“The Stars and Stripes Forever”。1896年に着想され、1897年5月14日フィラデルフィアのアカデミー・オブ・ミュージックでスーザ・バンドが初演した。編成は吹奏楽を中心とし、現在も世界各地のバンドで定番。公式歌詞は存在するが、演奏の主流は器楽版である。
音楽的特徴と演奏スタイル
テンポは行進曲の標準である約120。原調は変ホ長調、トリオで変イ長調へ転調する。構成は序奏—主部(AA/BB)—トリオ—ブレイク・ストレイン—最終大行進。終盤のピッコロ・オブリガート、トロンボーンの対旋律、金管主題の三層が絡み合い、明快なクレッシェンドと“ストンガー”終止で締めくくられる。
歴史的背景
スーザは欧州旅行中に元マネージャー急逝の報を受け、帰路の船上で主題を思いついたと回想している。1897年に出版。20世紀の米国吹奏楽文化を象徴する存在となり、サーカス界では非常時の暗号曲“ディザスター・マーチ”として使われたことでも知られる。
有名な演奏・録音
初期にはスーザ・バンド自身の録音が普及を牽引。米海兵隊軍楽隊“The President’s Own”は代表的定番演奏を多数残す。アーサー・フィードラー指揮ボストン・ポップス、フェネル/イーストマン・ウィンド・アンサンブルの名録音に加え、ホロヴィッツの超絶ピアノ編曲も名高い。
現代における評価と影響
1987年、米連邦議会により「合衆国の国民的マーチ」に制定。独立記念日や式典のクライマックスを彩る定番で、教育現場ではアーティキュレーション、バランス、歌心の訓練曲として重宝される。日本でもアンコールの常連で、ピッコロの見せ場として人気が高い。
まとめ
星条旗よ永遠なれは、覚えやすい主題と高度に計算された対旋律処理、圧倒的な高揚感で行進曲の理想形を示した。歴史的意義と実演効果の双方を兼ね備え、吹奏楽レパートリーの中核として今後も演奏され続けるだろう。