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June Is Bustin' Out All Over

  • 作曲: RODGERS RICHARD
#洋楽ポップス#スタンダードジャズ#映画音楽
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June Is Bustin' Out All Over - 楽譜サンプル

June Is Bustin' Out All Over|歌詞の意味と歴史

基本情報

June Is Bustin' Out All Overは、ロジャース&ハマースタインのミュージカル『回転木馬(Carousel)』で第一幕に登場する祝祭的ナンバー。作曲はRichard Rodgers、作詞はOscar Hammerstein II。ネティ・ファウラーが村人たちと歌い、初夏の到来を高らかに告げる場面を彩る。1945年のブロードウェイ初演以来、春から初夏のコンサートでも親しまれている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、花の開花や潮の変化、空気の匂いといった自然のディテールを積み重ね、6月という季節の膨らむ生命感を描く。共同体が一体となって新しい季節を喜ぶ情景は、物語の登場人物たちの希望や再生のモチーフと呼応する。一方で『回転木馬』全体には影と光が同居しており、この曲の朗らかさが後のドラマを際立たせる役割も担う。具体的な情景描写とリフレイン構造により、観客の体験に強い印象を残す。

歴史的背景

本作は、1945年に『オクラホマ!』に続くロジャース&ハマースタイン第2作として発表。舞台はニューイングランドの海辺の町で、住民の生活と季節の移ろいが音楽で有機的に結びつけられた。統合型ミュージカルの理念の下、楽曲は単独のショーケースにとどまらず、人物像や舞台空間の性格づけに機能している。本曲は第一幕のクライマックスに向けた高揚を作り、物語の時間軸と季節感を決定づける。

有名な演奏・映画での使用

オリジナル・ブロードウェイ・キャスト録音以降、多くのキャスト盤やコンサート盤に収録されてきた。1956年の映画版『回転木馬』でも重要曲として用いられ、初夏の祝祭シーンを鮮やかに映像化。オーケストラのポップス公演、合唱編曲、学校・地域のミュージカルでも定番で、季節企画のプログラムで取り上げられる機会が多い。テレビや商業利用に関しては情報不明だが、舞台・録音の蓄積は豊富である。

現代における評価と影響

キャッチーな旋律と軽快なリズム、覚えやすいコーラス構造により、単体でも季節曲として流通。英語圏のみならず各国語の上演やコンサートで演奏され、ミュージカル入門曲としても機能している。合唱・吹奏楽・室内編成への編曲が多く、広範な演奏レベルでアクセス可能な点も普及を後押し。リバイバル上演のたびに、『回転木馬』全体のドラマ構造を体感させる入り口として評価が更新されている。

まとめ

June Is Bustin' Out All Overは、季節の歓喜を歌い上げつつ、作品世界の息づかいと共同体の躍動を伝える要となる楽曲。舞台・映画・コンサートを横断して親しまれ、1945年初演の文脈を越えて今日も生命力を放ち続ける。『回転木馬』の理解を深めるうえで欠かせない一曲であり、初夏のプログラムにふさわしい華やぎをもたらす。