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Let Me Sing and I'm Happy
- 作曲: BERLIN IRVING

Let Me Sing and I'm Happy - 楽譜サンプル
Let Me Sing and I'm Happy|歌詞の意味と歴史
基本情報
Let Me Sing and I'm Happy は、アーヴィング・バーリン(Irving Berlin)作のポピュラーソング。映画『Mammy』(1930)でアル・ジョルソンが歌い知られるようになった。作曲・作詞はいずれもバーリンで、ティン・パン・アレー由来のキャッチーなメロディと覚えやすいコーラスが核となる。初出の正確な出版情報や初演会場、初版楽譜の詳細は情報不明。現在もアメリカン・ソングブック文脈で参照される代表曲の一つとして位置づけられる。
歌詞のテーマと意味
歌詞は「歌わせてくれるなら自分は幸せ」という明快なメッセージを中心に、富や地位、世の中の出来事よりも、歌う行為そのものが生きる喜びであると宣言する。芸能の世界に生きる語り手の自己肯定と、観客へ向けたエンターテインメントの力への信頼が通奏低音として響く。難しい比喩より直截な言葉運びが選ばれており、時代や文脈が変わっても伝わる普遍性を備える点が本曲の魅力である。歌詞の全文はここでは扱わない。
歴史的背景
1930年前後はサイレントからトーキーへと映画が移行し、映画音楽とブロードウェイ・ソングが急速に接続していった時期。バーリンは舞台と映画の双方で数多くのヒットを書き、ショービジネスの変化に即応した作家だった。本曲もその流れの中で、歌手自身の存在感を前面に出す“メタ・ソング”として機能し、スクリーンを通じて大衆へ広まった。社会状況の詳細な制作エピソードや関与スタッフの細目は情報不明。
有名な演奏・映画での使用
最も広く知られるのは、アル・ジョルソンによる映画『Mammy』(1930)での歌唱である。舞台やラジオを含め、ジョルソンのレパートリーとして定着し、彼の自己表現と観客への呼びかけを象徴するナンバーとして扱われた。他の著名な録音・映画での使用についての網羅的リストは情報不明だが、往年のポピュラー歌手・レビュー系公演で取り上げられてきたことが指摘される。
現代における評価と影響
本曲は「歌うこと」そのものを称揚する主題ゆえ、パフォーマーのアンセムとして今日でも意味を持ち続ける。アメリカン・ソングブックやティン・パン・アレー再評価の潮流の中で参照され、レクチャー・コンサートやカバレー的な場での選曲にも親和的だ。最新の配信状況・チャート動向・近年の代表的カバーの確定的情報は情報不明だが、教育・研究の文脈で取り上げられる機会は少なくない。
まとめ
Let Me Sing and I'm Happy は、バーリンの筆による端正で口ずさみやすい旋律に、芸能者の矜持と喜びを託したポピュラーソングである。映画を通して広く知られ、時代を越えて「表現する歓び」を伝える力を持つ。初出や録音の細目で不明点はあるものの、シンプルな言葉で普遍的テーマを歌い抜く点が、本曲の持続的な価値を支えている。