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Live for Life パリのめぐり逢い
- 作曲: LAI FRANCIS ALBERT

Live for Life パリのめぐり逢い - 楽譜サンプル
Live for Life パリのめぐり逢い|作品の特徴と歴史
基本情報
「Live for Life パリのめぐり逢い」は、作曲家フランシス・レイ(LAI FRANCIS ALBERT)が映画『Live for Life(仏題:Vivre pour vivre)』のために書いたテーマ。初出は1967年。主にインストゥルメンタルとして用いられ、同旋律の歌唱版も流通するが、正式な作詞者は情報不明。映画音楽として独立音源でも親しまれている。
音楽的特徴と表現
レイ特有の流麗な主旋律を核に、ストリングスとピアノが寄り添う端正な編成。穏やかなテンポと柔らかな和声進行が情感を醸成し、反復動機が登場人物の心理を静かに照射する。華美に過ぎず、しかし記憶に残る抒情性が作品全体のロマンティックな陰影を支える。録音においても残響を丁寧に扱い、映像の呼吸と自然に同調する設計が際立つ。
歴史的背景
1960年代後半、クロード・ルルーシュ監督とレイのタッグは『男と女』で脚光を浴び、続く本作でも連携が継続。ヌーヴェルヴァーグ以降のフランス映画が人間関係の機微に焦点を移す中、音楽は過度な説明を避け、感情の「余白」を繋ぐ役割を強化。レイの繊細な旋律と控えめな編曲は、内面描写を支える新しい映画音楽の語り口として評価され、作風確立に寄与した。
使用された映画・舞台(該当時)
本曲は長編映画『Live for Life(1967)』の主題・挿入音楽として使用。監督はクロード・ルルーシュ、出演はイヴ・モンタン、キャンディス・バージェン、アニー・ジラルド。愛と選択をめぐる物語の要所で主題が回帰し、場面転換や回想にメロディが寄り添うことで、感情の連続性を担保する。映像の時間経過を補助するモチーフの再提示が、ドラマの輪郭を静かに強調する。
現代における評価と影響
今日ではフランシス・レイの代表的ラブテーマの一つとして、映画音楽の名旋律を集めた企画や放送で取り上げられることがある。特定の受賞歴・チャート情報は情報不明だが、旋律の記名性と映像との親和性は評価が定着。音数を抑えたアレンジと抒情的メロディは、後続のロマンティック映画やテレビ音楽にも参照され、文脈外でも独立して鑑賞に耐える楽曲として支持されている。
まとめ
「パリのめぐり逢い」は、叙情性と簡潔さを両立した映画主題の好例。派手さを避けつつ心情を確かに導く筆致は、レイの魅力を端的に示す。映画の核を静かに照らす音楽として、今なお色褪せない存在感を放ち、フランス映画音楽の美質を体現する一曲といえる。