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Maria (The Sound Of Music)

  • 作曲: RODGERS RICHARD
#洋楽ポップス#映画音楽
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Maria (The Sound Of Music) - 楽譜サンプル

Maria (The Sound Of Music)|歌詞の意味と歴史

基本情報

Maria(The Sound Of Music)は、リチャード・ロジャース作曲、オスカー・ハマースタイン2世作詞によるミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』(1959年ブロードウェイ初演)の一曲。修道院に身を寄せる見習い修道女マリアをめぐり、修道女たちが彼女の奔放さと魅力を語り合う合唱曲として配置される。舞台・映画ともに序盤の印象的な場面を担い、登場人物像を鮮やかに提示するキャラクター・ソングとして知られる。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、規律におさまりきらないマリアの性格を、苦笑まじりの愛情をもって描く。彼女の長所と短所を対比しつつ「どう向き合うべきか」を問いかける構成で、非難ではなく、共同体が一人の個性を理解し受け入れる過程をユーモアと機知で示す。繰り返しと掛け合いが効果的に用いられ、観客にマリアの自由さ、温かさ、周囲を巻き込む力を即座に伝える。合唱の重なりが人物評の厚みを増し、物語の期待感を高める役割を果たす。

歴史的背景

本作はロジャース&ハマースタイン最後期の成果で、初演は1959年。のちに1965年の映画版で世界的に普及した。ハマースタイン2世は1960年に逝去しており、本楽曲を含むナンバー群はコンビの集大成として位置づけられる。物語はトラップ一家の実話に基づき、当時のブロードウェイで家族向けミュージカルの魅力を再定義した。曲「Maria」は物語の早い段階で、マリアの人物紹介と喜劇的緩急の付与を担う。

有名な演奏・映画での使用

オリジナル・ブロードウェイ・キャスト盤をはじめ、多数の舞台録音に収録。映画『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)では、修道院の廊下や中庭を舞台に修道女たちが合唱し、テンポよく場面転換する映像演出が印象的で、観客に強い刷り込みを与えた。女声合唱・混声合唱の編曲が広く普及し、学校公演や合唱コンサートの定番レパートリーとして親しまれている。

現代における評価と影響

「Maria」は、物語の推進と人物造形を同時に果たすロジャース&ハマースタイン流の作劇術を体現する曲として評価が高い。大きな音域や高度な技巧を要せず、言葉のリズムとハーモニーの掛け合いで魅力を生むため、教育現場でも取り上げやすい。また作品全体の中で、厳格な規律と個性の共存というテーマを軽やかに提示する役割を担い、上演や映像配信を通じて世代を超えて聴かれ続けている。

まとめ

ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』における「Maria」は、ユーモアと温かさで主人公像を立ち上げる合唱曲。1959年の初演以来、映画化と数多の上演を通じて普及し、今日では合唱・教育現場でも定番となった。歌詞の機知と明快な構成が色褪せず、作品全体の魅力を象徴する一曲である。