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Samba De Orfeu

  • 作曲: BONFA LUIZ
#ボサノバ#ラテン#スタンダードジャズ
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Samba De Orfeu - 楽譜サンプル

Samba De Orfeu|作品の特徴と歴史

基本情報

Samba De Orfeuは、ブラジルのギタリスト/作曲家ルイス・ボンファ(Luiz Bonfá、表記:BONFA LUIZ)による器楽曲。1959年公開の映画『黒いオルフェ(Orfeu Negro/Black Orpheus)』のために書かれた楽曲群の一つで、同作を象徴するテーマとして知られる。「Samba de Orfeo」「Samba de Orpheus」などの表記も流通し、ボサノヴァ黎明期を象徴する名旋律として世界的に演奏されている。作詞者は存在せず、歌詞付きの定版は情報不明。

音楽的特徴と表現

明快なサンバ・グルーヴを核に、軽快なシンコペーションと推進力で一貫して躍動するのが特徴。ナイロン弦ギターが刻むコードワークと印象的な主題が呼応し、旋律は短い動機の反復と発展で高揚感を生む。ハーモニーはブラジル音楽に典型的な柔らかな色合いで、明るさと哀愁が同居。編成はギター、パーカッション(パンデイロ等)、リズムセクションを基調に、アンサンブルでもソロでも映える設計となっている。

歴史的背景

1950年代末のリオ・デ・ジャネイロでは、サンバの伝統にジャズやクラシックの語法を取り入れた新潮流が生まれ、後に“ボサノヴァ”として世界を席巻した。『黒いオルフェ』はヴィニシウス・ジ・モライスの戯曲を原作に、ボンファとアントニオ・カルロス・ジョビンが音楽面を支えた作品。映画は1959年カンヌ国際映画祭パルム・ドール、1960年米アカデミー賞外国語映画賞を受賞し、サウンドトラックの国際的評価を押し上げた。

使用された映画・舞台(該当時)

本曲は映画『黒いオルフェ』のサウンドトラックの一部として用いられ、カーニヴァルの熱気や、街に満ちるサンバの生命力を象徴する楽曲として機能した。劇中でのダンスや行進の躍動感を、軽快なリズムと鮮烈な主題で強調し、映像と音楽の相乗効果によってブラジル音楽の魅力を国際的に印象づけた。

現代における評価と影響

Samba De Orfeuは映画音楽の枠を超え、ジャズ/ボサノヴァ界隈で長年にわたり定番レパートリーとして演奏され続けている。とりわけヴィンス・グアラルディの『Jazz Impressions of Black Orpheus』(1962)収録演奏は広く親しまれ、国際的な普及に寄与した。ギタリストの教材・発表曲としても人気が高く、フェスティバルやセッションでの即興素材としても定着している。

まとめ

映画発の器楽曲であるSamba De Orfeuは、サンバの躍動と都会的洗練を併せ持つ名旋律として普遍的な魅力を放つ。『黒いオルフェ』の成功が国際的認知を押し上げ、その後の録音・演奏を通じてスタンダード化。今なおステージや映像作品で生き続け、ブラジル音楽の入口としても最適な一曲である。