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Secret Love

  • 作曲: FAIN SAMMY
#スタンダードジャズ
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Secret Love - 楽譜サンプル

Secret Love|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Secret Love(シークレット・ラブ)は、作曲家サミー・フェインが手がけ、映画『カラミティ・ジェーン』(1953年)でドリス・デイが歌った楽曲。作詞はポール・フランシス・ウェブスター。公開翌年にアカデミー賞歌曲賞を受賞し、映画歌曲としての成功からジャズ・スタンダードへと定着した。

音楽的特徴と演奏スタイル

旋律は大きな弧を描くフレーズが印象的で、内省から高揚へ至るダイナミクスが歌詞の内容と呼応する。多くの編曲で32小節の定型(AABA系)として扱われ、ブリッジにドラマティックな展開を持たせる演奏が好まれる。テンポはバラードからミディアムまで幅広く、ボーカルはもちろん、ホーン主体の器楽演奏でも映える。和声は明快で、歌心を活かす余白があり、リハーモナイズや鍵盤のパッシングコードにも適応しやすい。

歴史的背景

1950年代ハリウッド・ミュージカルの黄金期に誕生し、スター歌手ドリス・デイの清新な歌唱と物語性のある映像表現が世界的な支持を集めた。秘めた恋が公然の愛へ解放されるというテーマは時代を超えて共感を呼び、公開直後からポピュラーやジャズの現場でレパートリー化。映画起源の楽曲がクラブやコンサートの定番へ広がっていった。

有名な演奏・録音

決定版としては、映画サウンドトラックおよびドリス・デイによる録音が広く知られる。以後、多数の歌手やジャズ・コンボ、ビッグバンドが取り上げており、バラード仕立てやスウィング、ラテン風など多彩なアレンジが存在する。具体的な著名録音の網羅的リストは情報不明だが、名唱・名演は多い。

現代における評価と影響

今日でもスタンダード曲集やコンサートの定番として扱われ、ヴォーカルの表現力やレンジ、フレージングを示す教材的な側面でも重宝される。映画発のポピュラーソングがジャズの語彙へ取り込まれた好例として言及されることも多く、編曲次第で時代感を更新できる柔軟さが、世代を超えた選曲理由となっている。

まとめ

『Secret Love』は、映画発の名曲でありながら、旋律美と構成の巧みさによってジャズ・スタンダードとしても確固たる地位を築いた。オリジナルの魅力を尊重しつつ、各時代の演奏家が新たな解釈を重ねる余地を持つ、普遍的な一曲である。