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Moten Stomp

  • 作曲: MOTEN BENNIE
#洋楽ポップス
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Moten Stomp - 楽譜サンプル

Moten Stomp|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Moten Stompは、ピアニスト/バンドリーダーのベニー・モーテン(Bennie Moten)によるインストゥルメンタル楽曲。初出年は情報不明だが、主に彼のカンザス・シティ・オーケストラのレパートリーとして知られ、ダンス向けのスウィング以前のジャズ語法を体現する一曲とされる。歌詞は存在せず、編成はブラス、サクソフォン、リズム・セクションから成るダンス・バンドを基本とする。

音楽的特徴と演奏スタイル

タイトルが示す通り、足踏みしたくなる力強い二拍感と活気あるグルーヴが核となる。ブラスとサックスのリフの掛け合い、コール&レスポンス、短いソロの継投が典型で、ピアノはストライドやブルース由来のコンピングで推進力を担う。テンポはダンス適性の高い中速〜速めが好まれ、セクションごとのブロック・ハーモニーと即興のバランスが聴きどころ。調性や形式の詳細は録音ごとに異なる可能性があり情報不明。

歴史的背景

1920〜30年代のカンザスシティは、ヘッド・アレンジと濃厚なブルース感覚で知られる地域シーンだった。モーテン楽団はその中心的存在で、地域のテリトリー・バンド文化を牽引し、後のスウィング時代の礎を築いた。Moten Stompは、当時のダンスホールの熱気を反映した題名と内容を備え、リフ反復とビートの押し出しでフロアを沸かせるタイプの曲として位置づけられる。

有名な演奏・録音

基準とされるのはモーテン率いるカンザス・シティ・オーケストラによる初期録音群である。具体的な録音年やレーベルは情報不明だが、復刻盤やコンピレーションで聴取可能な音源が流通している。後年、トラディショナル系のコンボやビッグバンドのリバイバル公演でも取り上げられることがあり、当時のアレンジ語法を体感できる貴重なレパートリーとして参照される。

現代における評価と影響

本曲はMoten Swingほどの知名度こそないものの、カンザスシティ流のリフ・アンサンブル、二拍感、ダンス志向という特徴を学ぶ教材的ナンバーとして評価される。リズム・セクションの推進力とブラスのパンチ、サックスのクッションをどう両立させるかは現在でもアレンジ研究の重要テーマで、学生ビッグバンドや地域バンドのレパートリーに取り上げられることがある。

まとめ

Moten Stompは、ジャズがスウィングへ向かう過渡期のエネルギーを閉じ込めたインストゥルメンタル。明快なリフ、躍動するビート、ダンスフロア志向という三要素で、モーテン楽団とカンザスシティ・ジャズの魅力を端的に示す。詳細情報には不明点も残るが、時代の空気を伝える実演向きの一曲として、今なお聴く価値と演奏する意義を持ち続けている。