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Some Other Blues

  • 作曲: COLTRANE JOHN
#スタンダードジャズ
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Some Other Blues - 楽譜サンプル

Some Other Blues|楽曲の特徴と歴史

基本情報

ジョン・コルトレーン作曲の「Some Other Blues」は、アトランティック期の録音を収めたアルバム『Coltrane Plays the Blues』(1962年発売)に収録されたインストゥルメンタル。録音は1960年、ニューヨークのアトランティック・スタジオで行われ、編成はテナーサックス、ピアノ、ベース、ドラムのカルテット。作品自体の正式な発表年はアルバムの発売年に準ずるが、作曲時期の詳細は情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

12小節ブルースを基盤にしながら、シンプルな主題から拡張的なアドリブへ展開する構造が特徴。中テンポで、モーダルな発想とブルース語法が共存し、テナーのロングフレーズと強靭なアタック、ピアノの現代的な和声処理、ドラムのポリリズム的推進力が一体となってドライヴする。主題は簡潔で記憶に残り、ソロではモチーフの反復と変形が効果的に用いられる。

歴史的背景

本作は「My Favorite Things」と同時期のセッションで生まれた一連のブルース集の一曲。ハードバップからより開かれた語法への過渡期に位置づけられ、従来のブルース進行を土台に、新しい和声感とリズム感を探究した成果といえる。アトランティック時代のコルトレーンは、ブルース形式を実験の器として用い、語彙とフォームの両輪で革新を進めていた。

有名な演奏・録音

決定的な参照音源は、オリジナルの『Coltrane Plays the Blues』収録テイク。テナー、ピアノ、ベース、ドラムの緊密な相互作用が聴きどころで、ソロの構築力とアンサンブルの緊張感が高く評価される。その他の著名なカバーや公式ライブ録音の詳細は情報不明。まずは初演盤を起点に、テンポ感とコーラス構成を手掛かりに聴き込むのが有効だ。

現代における評価と影響

ブルース形式の枠内で高度なハーモニー運用とリズム設計を示す手本として、研究・分析の対象となっている。アドリブ練習では、モチーフ・ディベロップメント、音域の対比、リズムの置き換え、休符の配置などの実践例として注目される。音楽教育やセッション現場での取り上げ状況の体系的データは情報不明だが、研究価値は広く認められている。

まとめ

「Some Other Blues」は、親しみやすいブルースの語彙と前衛的志向を橋渡しするコルトレーン流ブルースの要所。形式は伝統的でも語法は最前線という二重性が魅力で、主題の簡潔さと即興の深さが共存する。初聴ではテーマから最初のソロへの移行、伴奏の推進力、モチーフ処理の巧みさに注目すると、その意義と美点が明瞭になる。