Tell Me A Bedtime Story
- 作曲: HANCOCK HERBIE
Tell Me A Bedtime Story - 楽譜サンプル
Tell Me A Bedtime Story｜楽曲の特徴と歴史
基本情報
Tell Me A Bedtime Storyは、ハービー・ハンコック作曲のインストゥルメンタル。初出は1969年のアルバム『Fat Albert Rotunda』で、映像作品のための音楽から派生して発表。歌詞は存在せず、物語性をメロディとアンサンブルで描く。日本では「ベッドタイム・ストーリー」と表記されることもある。初演メンバー等の詳細は情報不明。
音楽的特徴と演奏スタイル
中庸テンポのファンキーな4拍子に、フェンダー・ローズの温かい音色が溶け合う。歌うように滑らかな主旋律は反復動機とシンコペーションで構築され、耳に残る。ハーモニーは明るさを軸にモーダルな色彩で陰影を付し、ソロは旋律性を重視。リズム隊はタイトで、浮遊感と推進力を両立させる。
歴史的背景
『Fat Albert Rotunda』は、ハンコックがテレビ特番用に書いた音楽を発展させた作品群で、ポスト・バップからジャズ・ファンクへ移行する転換点となった。本曲はその方向性を代表し、エレクトリック楽器の採用がサウンドの核となる。作曲年の厳密な資料は情報不明だが、発表は1969年。
有名な演奏・録音
基準録音はオリジナル盤収録ヴァージョン。以後も作曲者自身のライヴで再演され、教育現場やスクールバンド用のアレンジ譜も普及している。著名アーティストの網羅的カヴァー一覧は情報不明だが、現代ジャズ／フュージョンの定番曲として広く取り上げられる。
現代における評価と影響
メロディの親しみやすさと穏やかなグルーヴの両立により、鑑賞用としても入門曲としても高評価。エレクトリック・ピアノを核にしたアンサンブルはネオ・ソウルやフュージョンにも影響を与え、セッション現場では音色設計とリズム運用の好例として参照される。
まとめ
物語性のある旋律と柔らかなサウンドが光る、時代を超える名曲。原盤を入口に、多様な編成やライヴ演奏を聴き比べることで、楽曲の構造と表情の豊かさを多角的に味わえる。