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Once in a Lifetime

  • 作曲: BRICUSSE LESLIE, NEWLEY ANTHONY GEORGE
#洋楽ポップス#スタンダードジャズ
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Once in a Lifetime - 楽譜サンプル

Once in a Lifetime|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Once in a Lifetime」は、Leslie BricusseとAnthony Newleyによって1961年のミュージカル『Stop the World – I Want to Get Off』のために書かれたショー・チューン。作曲は両名、作詞も両名による共同作業として知られ、初演は1961年ロンドン公演、主演・歌唱はAnthony Newley。のちにブロードウェイでも上演され、キャスト録音を通じて広く流通した。歌詞を伴う楽曲で、ジャズ/ポップ・シンガーによりステージで取り上げられる機会の多いレパートリーである。

音楽的特徴と演奏スタイル

力強い自己宣言的なフレーズを核に、高揚感を描く旋律線が特徴。劇場的ダイナミクスを生かしたアレンジが映え、ブラスを含むバンド編成やピアノ・トリオなど多様な伴奏形で演奏される。テンポは中速を基調に、スウィングのフィールで推進する解釈やストレートな4ビートで押し出す解釈が存在。ヴォーカルでは語り口のコントラストとクレッシェンドの設計が見せ場となり、ジャズ寄りの演奏では和声拡張やリズムの遊びも行われる。

歴史的背景

『Stop the World – I Want to Get Off』は、人生の選択や野心を風刺的に描いた作品で、Bricusse/Newleyのコラボレーションを代表する舞台の一つ。本曲は主人公リトルチャップの転機や決意を印象づけるナンバーとして配置され、劇中の文脈と密接に結びついている。ロンドン初演(1961年)を経てブロードウェイ上演(1962年)へと広がり、同作からは「What Kind of Fool Am I?」などのヒット曲も生まれた。

有名な演奏・録音

オリジナル・ロンドン・キャスト録音およびブロードウェイ・キャスト録音でAnthony Newleyが歌った版が基準点となる。サミー・デイヴィスJr.はショービズ感の強い解釈で人気を博し、以降も多数の歌手がコンサートやアルバムで取り上げてきた。ジャズ寄りの歌手はスウィングに寄せ、ミュージカル系は劇的表現を前面に出すなど、編曲により性格が大きく変わる。映画での使用の詳細は情報不明。

現代における評価と影響

本曲はショー・チューンとジャズ・ヴォーカルの接点に位置づけられ、ライブやカバープロジェクトで継続的に演奏されている。舞台文脈に依拠しつつも、単独曲としての完成度が高く、リサイタルやキャバレー、オーディションのレパートリーにも適する。明確なクライマックスを設計しやすい構造は、表現力とレンジを示したい歌い手に好まれ、教育現場でも実践曲として扱われることが多い。

まとめ

「Once in a Lifetime」は、舞台由来のドラマ性とポピュラー/ジャズ的語法の両立が魅力のナンバー。原典の文脈を踏まえた表現から、スウィング寄りの解釈まで対応範囲が広く、今なお多くの歌手に選ばれている。出自・歴史・演奏実践を押さえることで、聴き手も演奏者も本曲の核心により深く到達できるだろう。