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One Mint Julep

  • 作曲: TOOMBS RUDOLPH
#洋楽ポップス
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One Mint Julep - 楽譜サンプル

One Mint Julep|歌詞の意味と歴史

基本情報

One Mint Julep は、作曲家Rudy Toombs(表記: TOOMBS RUDOLPH)によるR&Bナンバー。1952年にThe CloversがAtlanticから発表し、R&B界で広く知られるヒットとなった。のちに多数のカバーやアレンジが生まれ、歌ものとしてだけでなく、インストゥルメンタルでも親しまれている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、米南部由来のカクテル「ミント・ジュレップ」をきっかけに主人公の恋愛と人生が思わぬ方向へ転がる顛末を、ユーモアと皮肉を交えて描く。軽妙な語り口と口ずさみやすいコーラスが特徴で、酒場の喧騒や恋の高揚を映すような語感が耳に残る。道徳的説教ではなく、酒と恋の“偶然”を笑いに変える語りの妙が魅力だ。

歴史的背景

1950年代初頭のアメリカR&Bは、ジャンプ・ブルースからドゥーワップへと多様化が進んだ時期。The Cloversは甘いハーモニーとリズム感で人気を得ており、Toombsは同グループに数々の楽曲を提供した職人作家として知られる。本作も当時のダンス・フロア志向とラジオ映えを意識した構成で、簡潔なフォームと印象的なフックが時代性を体現している。

有名な演奏・映画での使用

代表的な録音はThe Cloversのオリジナルに加え、Ray Charlesが1961年に発表したビッグバンド編成のインストゥルメンタル版。Quincy Jonesのアレンジで、アルバム「Genius + Soul = Jazz」に収録され広くヒットした。以降、R&Bやジャズのプレイヤーによる演奏が続き、レパートリーとして定着している。映画での使用については情報不明。

現代における評価と影響

今日では、酒場情緒と洒脱なユーモアを湛えたR&Bクラシックとして評価が定着。ヴォーカル版はストーリーテリングの巧みさ、インスト版はホーン・リフの強度とグルーヴで重宝される。ジャズとR&Bの橋渡し役として教育現場やセッションでも取り上げられ、世代やジャンルを越えて生演奏の現場で生き続けている。

まとめ

One Mint Julepは、Rudy Toombsの筆致が冴える酒と恋の物語であり、1952年の誕生以来、歌と器楽の双方で愛されてきた。オリジナルの親しみやすさと、Ray Charles版の迫力という二つの軸が、その普遍性をいまも支えている。