あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

アーティスト情報なし

Pistol Packin' Mama

  • 作曲: DEXTER AL
#洋楽ポップス#スタンダードジャズ
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

Pistol Packin' Mama - 楽譜サンプル

Pistol Packin' Mama|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Pistol Packin' Mama」は、Al Dexterによる1943年のカントリー/ホンキー・トンク楽曲。米国で爆発的な人気を獲得し、歌詞付きのポピュラー曲として世に広まった。原題を活かした英語歌唱が基本で、日本語題「ピストル・パッキン・ママ」としても知られる。作曲・作詞はAl Dexter。軽快なリズムと耳に残るコーラス・フレーズが特徴で、酒場を舞台にした物語性を持つ。代表的な録音にはAl Dexter & His Troopersのオリジナル、Bing Crosby & The Andrews Sistersによるカバーがある。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、銃を携えた気の強い女性と語り手の掛け合いをユーモラスに描く。荒事の匂いを漂わせつつも、根底にあるのは恋のもつれと嫉妬、そして“武器を収めて穏やかに”という呼びかけだ。日常語やスラングを交えた言い回しが痛快で、当時の庶民的な酒場文化を生き生きと切り取る。暴力を賛美するのではなく、危うさと可笑しみの境界を軽妙に往復する語り口が、この曲の親しみやすさを支えている。

歴史的背景

発表は第二次世界大戦期の1943年。戦時下のアメリカではジュークボックスが娯楽の中心となり、カントリーとスウィングの要素が交差するダンス・ナンバーが広く受け入れられた。本曲もその潮流に乗り、地域色の濃い“ヒルビリー”音楽から一般ポップ市場へと飛躍する契機となった作品の一つである。ラジオとレコード流通の拡大により、南部の酒場発のサウンドが全米規模で共有される転換点を示した。

有名な演奏・映画での使用

代表的な演奏として、Al Dexter & His Troopersの録音が決定版とされ、Bing CrosbyとThe Andrews Sistersのカバーはポップ層で大ヒットした。のちに多くのカントリー/ロカビリー系アーティストが取り上げ、ステージの定番として演奏されている。映画での使用については、1940年代の映像作品で取り上げられた記録があるものの、具体的な作品名の特定は情報不明。

現代における評価と影響

今日では、ホンキー・トンクの古典として音楽史的評価が定着している。軽快な二拍子感、シンプルなコード進行、コール&レスポンス的なフックは、後続のカントリー・ブギーやロカビリーに通じる語法を示す。DJセットやルーツ寄りのバンドでも再評価が進み、アメリカーナ文脈での再解釈も活発だ。歌詞の物語性は、現代のシンガーソングライターが用いるストーリーテリングの祖型の一例としてもしばしば参照される。

まとめ

「Pistol Packin' Mama」は、戦時下アメリカの大衆文化を映す鏡であり、カントリーがポップ市場へ越境した象徴曲である。ユーモラスな物語、覚えやすいフック、時代性が三位一体となり、今なお強い生命力を保つ。入門にも最適な一曲として、原盤と代表的カバーを聴き比べることをおすすめしたい。