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Woody'n You

  • 作曲: GILLESPIE DIZZY, PASSMAN RAY
#スタンダードジャズ
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Woody'n You - 楽譜サンプル

Woody'n You|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Woody'n You は、GILLESPIE DIZZY と PASSMAN RAY によるクレジットを持つジャズ・スタンダード。別名「Algo Bueno (Woody'n You)」としても知られ、主にインストゥルメンタルで演奏される。作曲年は情報不明だが、初期ベバップ期の重要レパートリーとして確立しており、一般的なセッション曲集にも収載される定番曲である。形式は32小節のAABAが広く用いられ、アドリブ前提の構造を備える。

音楽的特徴と演奏スタイル

本曲はベバップ語法の教科書的素材。半音階的に連鎖するii–V進行やトライトーン・サブ、オルタード・ドミナントの運用が密に配され、速めのテンポでも明確なガイドトーンを示す運指・運弓が求められる。メロディはシンコペーションとアクセントの配置が巧みで、モチーフを細分化して展開するアドリブが有効。リズム・セクションは四分系のウォーキングとライド・シンバルで推進力を作り、ピアノはシェル・ボイシングや後打ちのコンピングでソロを支える。

歴史的背景

ベバップがスウィングから独立していく1940年代前半、Woody'n You は新様式を象徴するレパートリーとして機能した。タイトルはバンドリーダーのウディ・ハーマンに因む命名として知られ、当時のニューヨーク・シーンで急速に広まった。和声上の革新は、その後のモダン・ジャズにおける進行設計と即興語彙の基盤を形作り、教育・実演の両面で長期的な影響を持つことになった。

有名な演奏・録音

1944年のコールマン・ホーキンス楽団による録音は、初期ベバップの画期的記録として広く言及される。その後、ディジー・ガレスピー楽団は「Algo Bueno (Woody'n You)」のタイトルでも取り上げ、ビッグバンド文脈でのアレンジを提示。以降、コンボからピアノ・トリオ、ビッグバンドまで多様な編成で録音が重ねられ、セッション定番の地位を確立した。具体的な歌詞付きバージョンの情報は不明で、基本はインストとして親しまれている。

現代における評価と影響

今日でも本曲は、ベバップの和声運動とライン構築を学ぶ必修曲として位置づけられる。オーディションやジャム・セッションで取り上げられる機会が多く、テンポ設定やキーは状況により変動する。学習面では、半音階的ii–Vの音使い、テンション・ノートの解決、裏拍のアクセント設計が主要テーマ。アンサンブルでは、イントロやエンディングの合図づくり、ソロ間のダイナミクス制御が完成度を左右する。

まとめ

Woody'n You は、ベバップのエッセンス—高密度の和声、推進力のあるリズム、モチーフ駆動の即興—を凝縮した標準曲である。歴史的意義と実践的価値を兼ね備え、入門から上級まで段階的に学べる豊かな教材として、今後も演奏現場と教育現場で生き続けるだろう。