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Affirmation

  • 作曲: FELICIANO JOSE
#フュージョン
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Affirmation - 楽譜サンプル

Affirmation|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Affirmationは、ギタリスト/シンガーとして知られるホセ・フェリシアーノ(Jose Feliciano)が作曲したインストゥルメンタル曲。歌詞は存在せず、主旋律をギターが担う編成で広く演奏されてきた。初出の録音や正確な発表年は情報不明だが、ジャズ/フュージョン界隈で定番化し、今日ではジャズ・スタンダードとして認識されることが多い。タイトルの“Affirmation(肯定)”が示す通り、前向きで伸びやかな旋律美が聴きどころで、ライヴでもアルバムでも中核曲として扱われやすい。

音楽的特徴と演奏スタイル

多くの演奏で、滑らかなメロディラインをエレクトリック・ギターが歌うように奏で、リズム・セクションは16ビート寄りの落ち着いたグルーヴを支える。コード進行は流麗で、ソロはダイアトニック中心に歌心重視のフレージングで展開されることが多い。テンポは中庸からややスローに設定され、音数を詰め込むよりも音価の間合いとサスティンを生かした表現が好まれる。アンサンブルでは、ギターの主題提示—コーラス—アドリブ—再提示という明快な構成が定番で、入門者から上級者までアプローチしやすいのも魅力だ。

歴史的背景

本曲が広く知られる契機となったのは、ジョージ・ベンソンが1976年のアルバム『Breezin’』で取り上げたこと。『Breezin’』はクロスオーバー・ヒットとなり、ギター・インストゥルメンタルが一般リスナーにも受容される土壌を作った。Affirmationはその文脈の中で、メロディ指向のジャズ/フュージョンを象徴するレパートリーの一つとして位置づけられ、以後さまざまなステージで取り上げられるようになった。作曲経緯や当初の発表媒体については情報不明だが、70年代後半の潮流と強く結び付いて普及した点は確かである。

有名な演奏・録音

最も知られる録音は、ジョージ・ベンソンによる『Breezin’』収録ヴァージョン。艶やかなトーン、余裕あるタイム運び、歌心あるアドリブが楽曲の魅力を決定づけ、以後の解釈の基準となった。作曲者ホセ・フェリシアーノ自身もコンサートや録音でたびたび取り上げており、アコースティック/エレクトリックを問わず多様な編成で再解釈が進んでいる。さらに多くのジャズ・ギタリストやスムース・ジャズ系アーティストがレパートリーに加え、ライヴの中盤以降を彩る定番曲として定着している。

現代における評価と影響

Affirmationは、技巧を誇示するよりも“歌う”ことに主眼を置いたギター表現の手本として評価が高い。教育現場でも、メロディのフレージング、ダイナミクス、音価のコントロールを学ぶ教材として取り上げられることがある。配信時代に入ってからもプレイリストやラジオで継続的に流通し、リスナーがジャズ/フュージョンへ入門する導線を保ち続けている。セッション現場ではキー設定やフォームが共有しやすく、各奏者の個性を自然に引き出す“懐の深さ”も評価の理由だ。

まとめ

ホセ・フェリシアーノ作曲のAffirmationは、歌詞のないインストゥルメンタルながら、印象的な旋律と柔らかなグルーヴで世代を超えて愛されるジャズ・スタンダードである。1976年のジョージ・ベンソンの名演が普及の転機となり、以後数多くのギタリストが自身の声で“歌う”ための素材として磨き続けてきた。情報不明な点を含みつつも、楽曲が放つ普遍的な魅力は、今なおライブと録音の現場で生き生きと更新されている。