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Like Someone In Love

  • 作曲: VAN HEUSEN JIMMY, BURKE JOHNNY
#スタンダードジャズ
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Like Someone In Love - 楽譜サンプル

Like Someone In Love|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Like Someone In Loveは、作曲Jimmy Van Heusen、作詞Johnny Burkeによる1944年の楽曲。映画『Belle of the Yukon』(1944)のために書かれ、ディナ・ショアが紹介したとされる。のちに多くの歌手・ジャズ奏者に取り上げられ、アメリカン・ソングブック系の代表的スタンダードとして定着。恋に落ちた心の高揚と観察を繊細に描く歌詞と、柔らかな旋律線が魅力。キーや形式の定番は演者により異なるため情報不明だが、抒情的なバラードとして親しまれている。

音楽的特徴と演奏スタイル

旋律は跳躍と滑らかな順次進行が交錯し、歌心を引き出すフレーズが続く。和声面ではスタンダードに典型的な転回や副属和音、ii–V的進行が活用され、内省的な色合いと推進力を両立。テンポはバラードからミディアム・スウィングまで幅広く、イントロでルバートを置くアレンジも一般的。ボーカルは柔らかなレガートと語り口のダイナミクス設計が要点で、器楽ではテーマ提示後のモチーフ開発とガイドトーンを意識した即興が効果的。ボサ・ノヴァ風の解釈も散見される。

歴史的背景

第二次世界大戦期の映画音楽とポピュラーソングの結節点から生まれ、戦後の録音環境整備とともにラジオ、レコードを通じて普及。クロスオーバー可能な書法と汎用的なコード進行により、ビッグバンドから小編成コンボ、弦楽編成まで受容が拡大。1950年代のボーカル・アルバム文化とジャズの発展が相乗し、スタンダード化が進んだ。映画での初出以外のメディア露出の詳細は情報不明だが、楽曲自体の普遍性が長寿命化を支えた。

有名な演奏・録音

ボーカルではフランク・シナトラ(1953『Songs for Young Lovers』収録)、エラ・フィッツジェラルド(1957『Like Someone in Love』)が広く参照される基準。ジャズではチェット・ベイカーやビル・エヴァンスらの録音が代表的で、各人の美意識が旋律の親密さを際立たせる。ポピュラー領域でもビョーク(1993『Debut』)が独自の解釈で再提示。ほか多数の演奏が存在するが、網羅的リストは情報不明。

現代における評価と影響

今日もセッション定番曲として頻繁に取り上げられ、ジャズ教育用の曲集やレパートリーに収録。シンプルな表層と奥行きあるハーモニーの両立が、ボーカルの語り分けや器楽ソロの設計練習に適している。映画音楽発の名曲がスタンダードへ昇華した典型例として、編曲、録音技術、パフォーマンス解釈の研究素材にも重用されている。

まとめ

Like Someone In Loveは、映画由来の旋律美とスタンダードとしての柔軟性を併せ持つ名曲。多様なテンポと編成に耐える設計が、時代やジャンルを越えた継続的支持を生んでいる。初学者は原曲の抒情性を尊重しつつ、和声の要所を押さえることで表現の幅が広がるだろう。詳細な初演データやチャート推移は情報不明だが、名演の蓄積が楽曲価値を確固たるものにしている。