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Shout
- 作曲: ORZABAL ROLAND,STANLEY IAN

Shout - 楽譜サンプル
Shout|歌詞の意味と歴史
基本情報
「Shout」は、イギリスのデュオTears for Fearsが1984年に発表したシングルで、翌年のアルバム『Songs from the Big Chair』にも収録。作曲はRoland OrzabalとIan Stanley。骨太なドラムとシンセサイザー、印象的なコール&レスポンスが特徴で、ライヴでも定番曲として演奏され続けている。
歌詞のテーマと意味
楽曲の中核には、抑圧された感情を外へ解放し、理不尽や不正に対して声を上げるというメッセージがある。バンド名の由来にも関わる「プライマル・スクリーム療法」への関心が反映され、個人のカタルシスと社会的発言の両義性を併せ持つ。直接的なスローガンに頼らず、普遍的な言葉で抵抗と自己回復を描く点が支持を集めた。
歴史的背景
1980年代半ばの英国・欧米は冷戦や社会緊張、メディアの高度化が進んだ時期。Tears for Fearsはデビュー作『The Hurting』で内省を深化させ、『Songs from the Big Chair』期にサウンドを拡張。「Shout」はその転換の象徴で、世界的ヒットとなり、米国チャートで1位を獲得するなど国際的評価を確立した。重厚なドラムサウンドとシンセのレイヤー、メロディの高揚感は当時のポップ/ニュー・ウェーブ潮流の最先端を体現している。
有名な演奏・映画での使用
バンド自身のコンサートでの大合唱は名物で、さまざまなライヴ盤や映像で確認できる。また、米ロックバンドDisturbedによる「Shout 2000」のカバーは、原曲のメッセージをヘヴィな解釈で再提示した例として知られる。具体的な映画での使用情報は情報不明。
現代における評価と影響
「Shout」は80年代を代表するアンセムとして、世代を超えたプレイリストに定着。力強いバックビート、ゲート・リバーブを効かせたドラム、シンセとギターの層を重ねる手法は、その後のポップ/ロック制作に広く影響を与えた。カバーやサンプリング、テレビ出演での再演も多く、公共の場での合唱に適した構造はスタジアム規模のショウでも効果を発揮している。
まとめ
普遍的な呼びかけと洗練された80年代サウンドを兼備した「Shout」は、Tears for Fearsの代表曲にして、個と社会のあいだを橋渡しするポップ・アンセムだ。時代背景を超えて更新され続けるメッセージ性こそが、その長寿命な魅力である。