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So Long It's Been Good to Know Yuh
- 作曲: GUTHRIE WOODY

So Long It's Been Good to Know Yuh - 楽譜サンプル
So Long It's Been Good to Know Yuh|歌詞の意味と歴史
基本情報
Woody Guthrie(クレジット表記: GUTHRIE WOODY)によるフォーク・ソング。別名「Dusty Old Dust」。歌詞を伴う作品で、初録音は1940年にRCA Victorから発売されたアルバム『Dust Bowl Ballads』収録として知られる。以後、作者自身のライブ・レパートリーの中心曲となり、アメリカ民謡の定番として歌い継がれている。
歌詞のテーマと意味
大平原を襲ったダストボウルの砂嵐と、それに伴う別れをユーモアと哀愁をまじえて描く。語り手は町や仲間、愛する人々に別れを告げ、移動を余儀なくされる現実を受け止める。印象的なリフレインは“別れの挨拶”でありながら、共同体の連帯としたたかな生の意志を浮かび上がらせるのが本作の核心だ。比喩や物語調の語り口が親しみやすさを生み、合唱でも力を発揮する。
歴史的背景
1930年代、米国中西部〜大平原では干魃と砂嵐、そして大恐慌が人々の生活を直撃した。ガスリーは各地を旅し、労働者や移民の声を歌に結晶化。なかでも本曲は、環境災害と経済危機が交錯する時代の空気を、口承的なメロディと語り口で記録した一例といえる。フォーク復興以前から社会的歌の代表格として広まり、アメリカの近代史を伝える文化資源としても位置づけられている。
有名な演奏・映画での使用
ウディ・ガスリー自身の各種録音に加え、ザ・ウィーヴァーズやピート・シーガー、ランブリン・ジャック・エリオットらがレパートリー化し、フォーク・リバイバル期に広まった。ラジオや合唱の定番としても親しまれる。映画や映像作品での具体的な使用情報は情報不明。
現代における評価と影響
本曲は“別れの歌”でありつつ社会記録としての価値を持ち、学校教育や市民合唱の教材にも取り上げられる。素朴な三和音中心の進行と覚えやすいコーラスは参加型の歌唱に適し、抗議歌・コミュニティソングの原型として評価が定着。ガスリーの筆致は後続のシンガーソングライター(例:ボブ・ディラン)にも大きな影響を与え、フォークの語り部としての表現様式を更新する礎となった。
まとめ
「So Long It's Been Good to Know Yuh」は、時代の現実を身近な物語に落とし込んだフォーク・スタンダード。別れの言葉に込められた連帯の感覚は色あせず、現在もセッションやステージで歌い継がれる。歌詞の解釈と歴史的文脈を踏まえることで、作品の普遍性がより鮮明になり、ガスリーの創作が持つ社会的リアリズムの強度を体感できる。