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So Rare
- 作曲: HERST JERRY

So Rare - 楽譜サンプル
So Rare|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「So Rare」は、作曲Jerry Herst、作詞Jack Sharpeによる1937年発表の楽曲。甘く流麗な旋律で知られ、バラードとしてもスウィングとしても親しまれてきた。特に1957年、ジミー・ドーシー楽団の録音が米国チャートで大ヒットし、楽曲名を広く定着させた。ジャンル上はジャズ・スタンダードとして扱われることが多い。
音楽的特徴と演奏スタイル
緩やかなテンポで始まり、メロディは滑らかなレガートと半音階的な装飾が印象的。和声はトニックからドミナントへ端正に進行し、代理和音の差し替えで色彩を増す解釈も一般的だ。歌入りではロングトーンとブレスを生かす抑制的な表現が映え、器楽演奏ではアルトサックスやクラリネットが主旋律を担うことが多い。1957年の人気録音では、ビートの立ったリズム・セクションとサックスの滑らかなリードが共存し、古典的バラードの香りを保ちながらモダンな推進力を得ている。
歴史的背景
初出の1937年には、当時のダンス・バンドが相次いで取り上げ、ラジオを通じて広まった。二十年後の1957年、ジミー・ドーシー版がリズム&ブルースの風味を帯びたサウンドで再評価を呼び、Billboardで2位を記録。スウィング黄金期の語法を保ちつつ、ロックンロール時代の感覚に接続した象徴的な復活劇として語られる。こうして「So Rare」は戦前生まれの楽曲が戦後に再び脚光を浴びる稀有な例となった。
有名な演奏・録音
代表的な録音としては、1937年のガイ・ロンバード楽団による穏やかなダンス・バンド解釈、そして1957年のジミー・ドーシー楽団によるアルトサックスを前面に出したバージョンが特筆される。以後も多数のバンドや歌手がカバーしており、編成やテンポを柔軟に変えられることから、宴席やダンス・イベント、ジャズ・クラブの定番レパートリーとして定着している。
現代における評価と影響
今日「So Rare」は、メロディ・ラインの美しさと汎用性から、ビッグバンド、コンボ、歌唱のいずれでも選曲される定番曲となっている。スウィングとポップ・バラードの橋渡しを示す教材曲としても重宝され、サクソフォン奏者のショーケースに選ばれる機会が多い。古典的な情緒とモダンなビート感の両立が、世代や文脈を越えて演奏家に受け継がれている。
まとめ
端正でロマンティックな旋律を持つ「So Rare」は、時代を越えて愛されてきた佳曲である。1937年の誕生から1957年の再ヒットを経て、現在もジャズ・スタンダードとして確かな地位を保ち続けている。歌唱と器楽の双方で魅力を放つこの曲は、今後もステージや録音で生き続けるだろう。