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The Star Spangled Banner

  • 作曲: KEY FRANCIS SCOTT,SMITH JOHN STAFFORD
#トラディショナル
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The Star Spangled Banner - 楽譜サンプル

The Star Spangled Banner|歌詞の意味と歴史

基本情報

本曲は米国の国歌。作詞はフランシス・スコット・キー、旋律はジョン・スタッフォード・スミス作の歌曲を転用し、1814年に成立、1931年に国歌として制定された。正式英題は“The Star-Spangled Banner”。全4節の詩からなるが、儀式では第1節のみが歌われるのが一般的である。調性やテンポの指定は固定ではなく、式典やアレンジに応じて幅を持って演奏される。

歌詞のテーマと意味

歌詞は米英戦争の砲撃を耐え抜いた星条旗を讃え、自由、忍耐、国家の存続という価値を描く。夜明けの光に翻る旗のイメージが核心で、逆境下での結束と希望を示す。結尾は問いかけの形をとり、理想が今も保たれているかを聴き手に委ねる構造が特徴。愛国的高揚だけでなく、公民としての自覚を呼びかけるメッセージ性を持つ。

歴史的背景

背景には1814年のボルチモアの戦いがある。キーは休戦交渉の船上からマクヘンリー要塞への砲撃を目撃し、詩「Defence of Fort M’Henry」を執筆。当時人気の会員歌「To Anacreon in Heaven」(スミス作)の旋律に乗せて歌われ、新聞やブロードサイドで急速に普及した。その後、連邦議会の可決と大統領署名により1931年、合衆国の国歌として正式採用された。

有名な演奏・映画での使用

有名演奏として、1969年ウッドストックでのジミ・ヘンドリックスによるエレクトリック・ギター版、1991年スーパーボウルでのホイットニー・ヒューストンの伸びやかな歌唱が広く知られる。プロ・アマ問わずスポーツや式典での斉唱は定番で、編曲もコーラスからジャズ、ロックまで幅広い。映画での具体的使用作品名は情報不明。

現代における評価と影響

広い音域と高音の跳躍が難曲として知られ、アレンジやテンポ解釈に各歌手の個性が表れる。近年は斉唱時の所作や抗議表現を巡る社会的議論の対象となる一方、教育現場や市民イベントでの歌唱を通じ、共同体意識や歴史理解を促す役割も維持。音楽作品としての強度と象徴性が、世代を超えて再解釈を生み続けている。

まとめ

The Star Spangled Bannerは、歴史的経験に根ざした詩と旋律が結び付いた米国の象徴的作品である。名演の系譜と多様な解釈は、その都度の社会と価値観を映し出してきた。成立から2世紀を経た今日も、儀礼音楽としての厳粛さと、表現芸術としての自由度を併せ持ち、国内外で強い存在感を保っている。