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Stuck in the Middle with You

  • 作曲: EGAN JOE,RAFFERTY GERRY
#洋楽ポップス
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Stuck in the Middle with You - 楽譜サンプル

Stuck in the Middle with You|歌詞の意味と歴史

基本情報

ジョー・イーガンとジェリー・ラファティの共作で、スコットランドのバンド、スティーラーズ・ホイールが1972年に発表。セルフタイトルのデビュー作に収録され、軽快なミッドテンポ、アコースティック・ギターとハンドクラップ、カントリー風味のギターが映えるポップ/フォーク・ロックの代表曲。親しみやすいメロディとコーラスで、長く愛されるスタンダードとなった。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、華やかな社交や業界人に囲まれた場での居心地の悪さを、ユーモアと皮肉で描く。主人公は周囲の虚飾や駆け引きに挟まれ、自分の立ち位置を見失いそうになりつつも、流されまいと踏みとどまる。左右を道化やジョーカーにたとえる比喩は、圧迫感と孤立感を鮮やかに示し、明るいサウンドとのコントラストがメッセージ性を際立たせる。軽妙さの裏に、自己同一性と誠実さへの希求が通底している。

歴史的背景

1970年代初頭の英国では、フォーク・ロックとシンガーソングライターの隆盛が進行。ラファティはザ・ハンブルバムズでの経験を経て、イーガンとともに本作を創出した。ディラン風の語り口を思わせるヴォーカルとラジオ向きのアレンジが時代性に合致し、楽曲は国際的に知られるヒットとなってバンドの名を広めた。精緻なプロダクションと普遍的なテーマが、世代を超えた浸透力を生んだ。

有名な演奏・映画での使用

象徴的なのは、クエンティン・タランティーノ監督『レザボア・ドッグス』(1992)での使用。陽気な曲調と暴力的なシーンの強烈な対比が話題を呼び、公開以降に再評価と再流通が進んだ。このほかテレビやCMでの起用、各種アーティストによるカバーも多いが、個別の採用例や年次の詳細は情報不明。映画による再文脈化により、曲そのものの認知が新しい世代へと拡大した。

現代における評価と影響

今日では、70年代ポップ/フォーク・ロックの定番としてストリーミングや旧譜再発で安定した人気を保つ。軽やかなグルーヴに辛辣な視点を織り込む作法は、のちのインディー/オルタナにも通底し、楽曲のフックと構成の巧みさが改めて評価されている。映画文脈から楽曲へ回帰する聴かれ方も定着し、単独の音楽作品としての強度が再確認されている。

まとめ

Stuck in the Middle with You は、キャッチーな旋律と業界風刺が共存する稀有なポップ・ソング。1972年の誕生から映画での鮮烈な再解釈を経て、今も新鮮さを保つ。背景を知れば、軽快さの裏に潜む批評性と人間味がいっそう立体的に響くだろう。