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What Goes On
- 作曲: LENNON JOHN WINSTON, MCCARTNEY PAUL JAMES

What Goes On - 楽譜サンプル
What Goes On|歌詞の意味と歴史
基本情報
ビートルズの「What Goes On」は1965年発表のオリジナル曲で、UKアルバム『Rubber Soul』に収録。米国では1966年にシングル「Nowhere Man」のB面として発売。ボーカルはリンゴ・スター。公式ソングライティング・クレジットはLennon–McCartney–Starkeyとされ、カントリー/ロカビリーの語法を取り入れた軽快なロックナンバーである。ギターのカッティングとコーラスの掛け合いが印象的。
歌詞のテーマと意味
恋人の不可解な行動に翻弄される語り手が、「いったい何が起きているのか」と自問する内容。責め立てるよりも、戸惑いと自虐的なユーモアが前面に出る点が特徴で、リンゴの素朴な声質と相まって、失恋ソングながら温かい後味を残す。問いかけの反復や短いフレーズの連鎖が、内心の揺れをリズミカルに表現している。
歴史的背景
楽曲の原型は初期に着想され、1965年の『Rubber Soul』制作時に再構成されたと伝えられる。レコーディングはロンドンのEMIスタジオで行われ、タイトなリズムとカントリー風ギター・リックが核となった。『Rubber Soul』期の実験性の中で、ルーツ・ミュージックへの親和性を示す側面を担い、アルバム全体の色調にコントラストを与えている。
有名な演奏・映画での使用
本曲が映画で顕著に使用された事例は情報不明。ビートルズ自身の公式ライブでの定番演奏についても情報不明である。一方、米国シングルのB面という流通形態により、ラジオでのオンエア機会は確保され、アルバム曲以上の認知を獲得した地域もある。なお、同名異曲としてThe Velvet Undergroundの「What Goes On」が存在するが、無関係である。
現代における評価と影響
批評的には『Rubber Soul』の中では“小品”と評されることがある一方、リンゴの持ち味を生かした数少ないリード曲としてファン支持は厚い。ビートルズがカントリー由来の語彙を自作曲へ吸収した事例として、後年のカントリー・ロックの受容にも連なる位置づけで語られる。素朴さとビートの強さの両立は、ガレージ/パワー・ポップ系のバンドにも影響を及ぼした。
まとめ
「What Goes On」は、精緻なスタジオワークを進める中で示された“原点回帰”の一手であり、アルバムのダイナミズムを支えるスパイスとなった。物語性の強い歌詞を、軽やかなカントリー調に載せる設計は今日でも新鮮で、ビートルズの多面性とソングクラフトの幅を確かめる好例と言える。