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I Want To Tell You

  • 作曲: HARRISON GEORGE
#ビートルズ#洋楽ポップス
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I Want To Tell You - 楽譜サンプル

I Want To Tell You|歌詞の意味と歴史

基本情報

『I Want To Tell You』は、ジョージ・ハリスン作によるビートルズの楽曲。1966年発表のアルバム『Revolver』に収録され、プロデュースはジョージ・マーティン。ギター、ベース、ドラムに加え、ピアノの印象的なリフとコーラスが重なるポップ・ロックで、スタジオ・ワークが進化した時期のサウンドを伝える。作詞・作曲はハリスン。

歌詞のテーマと意味

歌詞は「伝えたいのに言葉が追いつかない」というコミュニケーションのもどかしさを主題に据える。気持ちと表現のギャップ、相手を傷つけたくない逡巡など、普遍的な感情が端的なフレーズで綴られる。メロディとハーモニーの緊張感が心理描写を補強し、内省的でありながら親しみやすいポップさを保っている。

歴史的背景

1966年のビートルズは、ツアー終盤と並行してスタジオ志向を強め、録音技術やサウンド・デザインを積極的に実験した。『Revolver』ではハリスンが3曲を提供し、作家性を一段と確立。本曲はポップな枠組みに内面の葛藤を落とし込んだ点で、『Taxman』『Love You To』と並ぶ彼の多面的な作風を示す位置づけにある。録音はロンドンのEMIスタジオ。

有名な演奏・映画での使用

本曲はスタジオ・テイクの印象が強く、ビートルズ期のライブ記録は限定的とされる。一方、ジョージ・ハリスンは1991年の来日公演で演奏し、翌年のライヴ盤『Live in Japan』に収録されたことで再評価の機会が広がった。カバーも複数存在するが網羅的な一覧は情報不明。映画やテレビでの著名な使用例は情報不明。

現代における評価と影響

今日では『Revolver』の陰影を支える隠れた名曲として語られることが多い。軽やかなテンポと端正な構成の内側に、不協和をはらむ和声やリフを配し、言葉にできない感情を音で可視化した手つきが評価される。ハリスンのソングライティングが、社会風刺や東洋志向だけでなく、繊細なポップ表現にも及ぶことを示したサンプルとして重要視されている。

まとめ

『I Want To Tell You』は、シンプルなポップ・フォームに内面の葛藤を封じ込めたハリスンの力作。1966年の革新的な制作環境と相まって、短い尺の中に豊かな表情を刻み込んだ。アルバム全体の文脈でも独自の役割を果たし、今なお聴き手に共感と発見をもたらす1曲である。