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I Want You (She's So Heavy)

  • 作曲: LENNON JOHN WINSTON, MCCARTNEY PAUL JAMES
#ビートルズ#洋楽ポップス
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I Want You (She's So Heavy) - 楽譜サンプル

I Want You (She's So Heavy)|歌詞の意味と歴史

基本情報

ビートルズのアルバム『Abbey Road』(1969年)収録曲。作曲・作詞はレノン=マッカートニー名義で、実質はジョン・レノン主導の制作。7分超の長尺とミニマルな語句、そして重厚なサウンドで異彩を放ち、アルバムA面の締めくくりを突然のカットアウトで終える構成が特に有名。プロデュースはジョージ・マーティン。

歌詞のテーマと意味

歌詞は極めて少ない語数で、強烈な欲求と執着を直接的に表す。反復されるフレーズと重いリフが一体となり、恋愛感情の「重さ」や圧倒的な引力を体感的に描くのが特徴。比喩や物語よりも感情の圧力そのものを音響で提示する設計で、メッセージの焦点は明快かつラディカル。

歴史的背景

後期ビートルズの実験精神が結晶した一曲で、ブルース由来の反復リフ、厚いギターの多重録音、ノイズ的テクスチャの累積など、1969年当時の最先端スタジオ技法が投入された。終止を唐突に断ち切る編集はロックの楽曲形式に新風を吹き込み、後続アーティストの制作手法にも影響した。

有名な演奏・映画での使用

ビートルズによる公式のライブ演奏記録は存在しない一方、後年は多くのロック・アーティストがカバー。映画『アクロス・ザ・ユニバース』(2007)では劇中カバーとして象徴的に用いられ、重いリフと反復の美学が映像表現と結び付けられて再評価の契機となった。

現代における評価と影響

しばしばハードロック/ヘヴィメタル、ドゥーム的美学の先駆と評され、ミニマルな構成で圧倒的ダイナミクスを生むモデルとして研究対象にもなる。2019年の『Abbey Road』アニバーサリー・エディションでは新ミックスが公開され、音像の重層性が改めて注目を集めた。

まとめ

本作は、少ない語句と反復の力を最大化し、編集と音響で感情を造形したビートルズ屈指の革新作。ポップとアバンギャルドの境界を押し広げ、後世のロック作法に長く影響を与え続けている。歌詞の詳細は最小限ながら、表現の核は極めて豊かで普遍的だ。