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End, The
- 作曲: LENNON JOHN WINSTON, MCCARTNEY PAUL JAMES

End, The - 楽譜サンプル
End, The |歌詞の意味と歴史
基本情報
ビートルズの『The End』は、1969年発表のアルバム『Abbey Road』B面メドレーの掉尾を飾る楽曲。クレジットはレノン=マッカートニー。リンゴ・スターにとってスタジオ公式作品で唯一のドラム・ソロ、さらにポール、ジョージ、ジョンが交互に短いギター・ソロを回す構成が特徴で、数分間にバンドの精髄を凝縮している。
歌詞のテーマと意味
歌詞は別れと感謝、そして与える行為がめぐり巡って自らに返るという倫理的メッセージを凝縮した簡潔な表現で締めくくられる。長いメドレーを締めるにふさわしい総括的なトーンで、人生や関係性の終幕を穏やかに受け止める姿勢が示される。具体的な物語より普遍的な価値観に焦点があり、聴き手の解釈を促す。
歴史的背景
本曲が収められた『Abbey Road』は、ビートルズが4人で臨んだ実質的に最後の録音セッションの成果であり、サウンド面でも洗練の極みにある。後年に発表された『Let It Be』はそれ以前の録音で、時系列上『The End』はグループのスタジオ作品における実質的な別れの挨拶と受け取られてきた。制作はロンドンのEMIスタジオにて1969年。直後に短曲『Her Majesty』が続くが、実質的なフィナーレとして機能する。
有名な演奏・映画での使用
ビートルズとしての公式なコンサート演奏は残されていない一方、ポール・マッカートニーはソロ公演でB面メドレーの一環として本曲のセクションを披露することがある。映画での顕著な使用例は情報不明だが、テレビ特番やトリビュートで象徴的なエンディングとして引用される場面がみられる。
現代における評価と影響
ドラム・ソロと三者のギター・トレードという構図は、ロック・バンドのアンサンブル美学を端的に示す教材としてもしばしば言及される。アルバムを大きな流れで聴かせ、最後に凝縮したメッセージを置く設計は、その後のロック作品のエンディング像に影響を与えた。批評面でも、バンドの成熟と別離を同時に刻印した名場面として高く評価される。
まとめ
『The End』は、演奏の妙と簡潔な言葉でバンドの歩みを締めくくる象徴的な一曲である。メドレーの到達点にして、ロック・アルバムという形式の可能性を拡張した歴史的なフィナーレ。今なお再聴に値する普遍性を備える。