あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

アーティスト情報なし

Tarantella

  • 作曲: TRADITIONAL
#洋楽ポップス#トラディショナル
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

Tarantella - 楽譜サンプル

Tarantella|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Tarantella(タランテラ)」は南イタリアの高速舞曲の総称で、特定の作曲者や決定版はない。地域ごとに旋律・テンポ・編成が異なり、踊りと不可分の実用音楽として伝承されてきた。本項では伝統曲として扱い、作曲者はTRADITIONAL、成立年は情報不明とする。

音楽的特徴と演奏スタイル

拍節は6/8または12/8、Presto相当の速いテンポが基本。タンブレッロの連打が推進力を生み、マンドリン、ギター、アコーディオン、ヴァイオリンが旋律と伴奏を担う。短い動機の反復と終止の強調、掛け合い、即興装飾が核。多くは短調系モードで、AABB型や循環進行が用いられ、舞踏のステップを確実に支える。

歴史的背景

起源はプッリャやカンパニアを中心とする南イタリアに位置づけられ、民俗学では“タランティズム”(毒蜘蛛の咬傷とされる憑依状態を踊りで癒やす儀礼)との関連が語られる。17〜19世紀に舞踏曲として広まり、祝祭や路上の音楽隊で演奏されたのち、都市部ではサロン音楽や舞台作品にも取り入れられた。成立の厳密な年代や最初期の形態は情報不明。

有名な演奏・録音

伝統曲として地域名を冠した「Tarantella di 〜」の民俗録音が多く、決定的な“原典版”の特定は情報不明。フィールド録音や民俗アーカイブ、現地の舞踏団体のライブ映像で多様なスタイルが確認できる。加えて、クラシック界では作曲家が形式を借用したタランテラ作品を多数残し、舞曲のイメージを広めた。

現代における評価と影響

今日でも南イタリアのフェスティバルや地域行事で活発に演奏され、ワールドミュージックやフォークダンスの文脈でも親しまれる。複合拍子の学習素材として音楽教育に導入されるほか、映像作品でイタリア的高揚感を象徴するサウンドとして用いられることがある。

まとめ

タランテラは、踊りを駆動するリズムと旋律の反復に本質があり、固定化された一曲ではなく、地域に根ざした可変的なレパートリーである。速い6/8系の躍動、タンブレッロの強烈なビート、即興的な装飾という核を押さえれば、編成や調性が変わっても“らしさ”を保てる。入門には地元合奏の録音比較が有効で、歴史と実演の両面から理解が深まる。