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There Goes My Everything

  • 作曲: FRAZIER DALLAS
#洋楽ポップス
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There Goes My Everything - 楽譜サンプル

There Goes My Everything|歌詞の意味と歴史

基本情報

作曲・作詞はDallas Frazier。カントリー・バラードとして知られ、1966年にJack Greeneが取り上げて全米カントリーチャートで首位を獲得し、一躍スタンダードとなった。翌1967年にはCMAで“Single of the Year”および“Song of the Year”を受賞し、同名アルバムも高い評価を得た。以後、多数のアーティストにカバーされ、国境とジャンルを越えて親しまれている。映画やドラマへの明確なタイインは情報不明。

歌詞のテーマと意味

タイトルが示す通り、“自分のすべて”が去っていく瞬間を静かに見つめる別れの歌である。語り手は喪失の衝撃を、部屋に残る日常の痕跡や静けさといった身の回りのディテールで描写し、直接的な嘆きよりも余韻で悲しみを伝える。比喩は過度に装飾的ではなく、平易な言葉で感情の深さを掘り下げるのが特徴。旋律も語り口を支えるように穏やかで、フレーズの反復がタイトルの決定的な響きを強調する。結果として、個人的な別れが普遍的な共感へと昇華されている。

歴史的背景

発表当時は、ナッシュビル・サウンドが成熟し、弦やコーラスを配した洗練されたプロダクションが主流だった時期。Frazierは等身大の言葉と覚えやすい旋律を書くソングライターとして頭角を現し、本作でもラジオ向きの親しみやすさと深い情緒を両立させた。Jack Greeneの成功により、失恋歌ながら幅広い層へ届き、カントリーがポップ市場へ波及する流れにもつながった点で象徴的な作品といえる。

有名な演奏・映画での使用

決定版としてはJack Greeneの録音が挙げられる。続いてEngelbert Humperdinckがポップス寄りのアレンジで大ヒットを記録し、楽曲を国際的に広めた。Elvis Presleyによるカバーもよく知られ、豊かな低音でカントリーとポップの橋渡しを行っている。これらの解釈は、伴奏の厚みやテンポの差異を通じて、同曲の懐の深さを示した。映画での顕著な使用例は情報不明。

現代における評価と影響

「There Goes My Everything」は、別れの普遍性を静謐に描いたカントリーの古典として定着し、ライブや配信企画でのカバーが続く定番曲となっている。英語の明瞭な語り口とメロディの親和性から、ボーカルトレーニングの教材として選ばれることもある。日本でもカントリー愛好家を中心に知られ、60~70年代ポップスの名唱とともに語られることが多い。時代や地域を超えて歌い継がれる力は、素材の強さと解釈の自由度に支えられている。

まとめ

Dallas Frazierが書いた「There Goes My Everything」は、シンプルな言葉と旋律で喪失の深みを描いた名曲である。Jack Greeneの首位ヒットを起点に、Engelbert HumperdinckやElvis Presleyらの多彩なカバーが広がりを加速させた。映画での明確な使用は情報不明ながら、失恋歌の定番として今なお多くの歌手に選ばれ、聴き手の心に静かに響き続けている。