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Truly
- 作曲: RICHIE LIONEL B (JR)

Truly - 楽譜サンプル
Truly|歌詞の意味と歴史
基本情報
『Truly』は、1982年に発表されたライオネル・リッチーのソロ初期を代表するバラード。作曲・作詞はRICHIE LIONEL B (JR)(ライオネル・リッチー)。セルフタイトル作『Lionel Richie』に収録され、シングルとしてもリリース。全米ビルボードHot 100およびアダルト・コンテンポラリーで1位を獲得する大ヒットとなった。ピアノ主体のアレンジを基調に、リッチーの温かなテノールが前面に出る設計が印象的で、80年代初頭の洗練されたサウンドを象徴する一曲である。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、揺るぎない愛の誓いを静かで真摯な口調で告げる内容。誇張を避けた平明な語彙と、相手を包み込むような言い回しにより、「今ここにある確信」を丁寧に積み上げる。愛の永続性や再確認を軸に、サビに向けて情感が高まる構成は、聞き手の私的な記憶や節目の場面に寄り添いやすい。言葉数を絞り、メロディの伸びで想いを増幅させる手法は、リッチーの作詞作曲術の中核を成している。
歴史的背景
リッチーはコモドアーズ期から『Three Times a Lady』などでバラード巧者として評価を集めていた。本作はグループ離脱後のソロ転身を決定づけ、ポップとソウルの架橋となるアダルト・コンテンポラリー路線を明確化。1983年のグラミー賞で最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンスを受賞し、作家性と歌唱力の双方を世に示した。こうした成功は、以後の「Hello」へと続くメロディ重視のキャリアを後押しした。
有名な演奏・映画での使用
代表的な演奏はオリジナル・スタジオ版で、ピアノとストリングスが歌声を支える気品ある音像が魅力。本人によるテレビ出演や各地ツアーでのライブ歌唱も広く親しまれている。一方、特定の映画やドラマで象徴的に用いられた事例については情報不明。商業的な成功とライブでの定着によって、曲そのものの存在感が強く記憶されるタイプのヒットと言える。
現代における評価と影響
『Truly』は、誠実なメロディ運びと直接的な言葉選び、終盤のダイナミクスが調和したポップ・バラードの規範として語られる。キーの過度な高低差を避けつつ情感を引き上げる書法は、多くの作曲家・ボーカリストに影響を与え、練習曲として取り上げられることもある。配信時代においても安定した支持を集め、“永遠のラブソング”として継続的に再評価されている。
まとめ
静かな導入から豊かなクライマックスへ至る構成、飾らない言葉で愛を誓う歌詞、温かな声質が一体となり、時代を越えて聴き継がれる名曲に。『Truly』は、ライオネル・リッチーのソングライティングとボーカル表現の核心を簡潔に示し、ポップ・バラードのスタンダードとして確かな地位を保ち続けている。