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Wagon Wheels

  • 作曲: DE ROSE PETER
#洋楽ポップス#トラディショナル
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Wagon Wheels - 楽譜サンプル

Wagon Wheels|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Wagon Wheels」は、Peter De Rose作曲、Billy Hill作詞による1934年発表のポピュラー・ソング。西部開拓時代を想起させるムードをもつバラードで、パラマウント映画『Wagon Wheels』(1934)の主題歌として世に出た。歌詞付きの楽曲で、一般にゆったりとしたテンポで歌われることが多い。調性や初演歌手の詳細は情報不明。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、荒野を進む幌馬車の車輪をモチーフに、旅の継続と希望、そして郷愁を象徴的に描く。転がり続ける車輪は、逆境の中でも前へ進む意思のメタファーであり、道のりの厳しさと自然の雄大さが対比される。個人的な愛や別れを強調するより、人生の旅路や開拓精神を普遍的に歌い上げる点が特徴で、聴き手に静かな高揚感と広がりをもたらす。

歴史的背景

1930年代の米国では、映画とラジオの普及によりカウボーイ・ソングが大衆に浸透。Billy Hillは「The Last Round-Up」など西部題材で知られ、本作もその潮流の中で誕生した。大恐慌期の不安のなか、開拓と前進をうたうイメージは聴衆の心情に響き、スクリーンと放送を通じて広く共有された。出版・楽譜流通の活発化も普及を後押しした。

有名な演奏・映画での使用

同名映画『Wagon Wheels』(1934)で主要楽曲として用いられ、物語の舞台と音楽イメージが結び付いた。録音では、低声の名歌手ポール・ロブスンによる1930年代の歌唱が広く知られ、曲の知名度を押し上げた。以降、カントリーやジャズ系の歌手・バンドにより数多くカバーされているが、個別のチャート成績や録音年の詳細は情報不明。

現代における評価と影響

今日でもウェスタン情緒を伝えるスタンダードとして、レトロ企画やアメリカーナ的文脈で取り上げられる機会がある。旋律の懐の深さから、独唱、コーラス、器楽編曲にも馴染み、ジャンルを越えたレパートリーとして定着。映画音楽とポピュラー・ソングの幸福な邂逅例として研究対象にもなっている。

まとめ

Wagon Wheelsは、映画発のポピュラー・バラードとして、西部の風景と人生の旅路を重ね合わせた普遍性で愛され続ける。端正な旋律と象徴的なイメージが、時代を超えて聴き手の想像力を喚起する名曲である。