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We Are the World

  • 作曲: JACKSON MICHAEL JOE,RICHIE LIONEL B (JR)
#洋楽ポップス
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We Are the World - 楽譜サンプル

We Are the World|歌詞の意味と歴史

基本情報

We Are the Worldは、Michael JacksonとLionel Richieが作曲・作詞し、USA for Africa名義で1985年に発表されたチャリティ・シングル。プロデュースはクインシー・ジョーンズ。エチオピアを中心とするアフリカ飢餓救済を目的に制作され、売上は寄付に充てられた。米国ではビルボードHot 100で1位を獲得し、世界的な大ヒットとなった。多くのトップアーティストが参加した合唱形式と覚えやすいメロディが特徴で、ミュージックビデオも広く放送された。

歌詞のテーマと意味

歌詞の中心テーマは、連帯・共感・実践的な助け合い。困難に直面する他者を自分事として捉え、行動へと踏み出す普遍的なメッセージを掲げる。1人称複数の主語と呼びかけが反復され、聴き手を合唱に招き入れる構成。各ソリストのパートが感情の輪郭を描き、クライマックスでは調性の高揚が希望を象徴する。直接的な宗教色や政治的立場の主張を避け、世代や国境を超えて共有できる倫理を簡潔な言葉で提示している点が、長年支持される理由の一つである。

歴史的背景

1984年のエチオピア飢饉に世界的な関心が高まり、英国のBand Aidによるチャリティ曲の成功も追い風となった。米国でも支援の輪を広げるべく、ジャクソンとリッチーが共作し、多数のアーティストが一夜のセッションで録音。音楽産業の総力を結集し、メディアと連動して寄付を促すモデルを確立した。レコード、カセット、ラジオ、テレビ、MVといった当時の主要チャネルを横断的に活用し、社会課題と大衆音楽の接点を拡張したことが画期的だった。

有名な演奏・映画での使用

オリジナルのUSA for Africa版が最も知られ、参加者にはスティーヴィー・ワンダー、ブルース・スプリングスティーン、シンディ・ローパー、ダイアナ・ロス、レイ・チャールズ、ボブ・ディラン、ティナ・ターナーなどが名を連ねる。2010年にはハイチ地震救援のためにWe Are the World 25 for Haitiが制作され、新世代のアーティストが参加した。映画での顕著な使用は情報不明だが、合唱や学校行事、チャリティイベントでの歌唱は広く行われている。

現代における評価と影響

本曲は「社会貢献とポップの両立」を示した代表例として評価され、以後のチャリティ・シングルや大型コラボの雛形となった。ストリーミング時代においても、音楽が寄付と啓発を同時に推進できる手段であることを再確認させる参照点であり、教育現場ではグローバル市民教育の題材として取り上げられることも多い。制作・配分の透明性や表現の適切さといった課題も議論されるが、普遍的メッセージはなお有効に機能している。

まとめ

We Are the Worldは、強い連帯のメッセージとポップの魅力を融合させ、チャリティ音楽の新たな標準を築いた。1985年の社会的背景から生まれたが、共感と行動を促す構造は現在も色あせない。歴史的事実に裏打ちされた普遍性ゆえに、世代や地域を超えて歌い継がれる名曲である。