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Where Do I Begin (Love Story)

  • 作曲: LAI FRANCIS ALBERT
#洋楽ポップス#スタンダードジャズ
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Where Do I Begin (Love Story) - 楽譜サンプル

Where Do I Begin (Love Story)|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Where Do I Begin (Love Story)」は、映画『ある愛の詩』(1970年公開)のテーマから派生したバラード。作曲はフランシス・レイ(表記:LAI FRANCIS ALBERT)、作詞はカール・シグマン。映画のために書かれたインストゥルメンタルの旋律に後から英語詞が付けられ、ポップ・ソングとして独立しました。流麗なメロディと温かなオーケストレーションが特徴で、映画のロマンティックな雰囲気をそのまま歌の形に凝縮しています。

歌詞のテーマと意味

歌詞は「愛という物語をどこから語ればよいのか」という戸惑いから始まり、出会いによって世界の色や時間の感覚が一変する驚き、そして愛がもたらす慰めと強さを静かな筆致で描きます。大仰な比喩に頼りすぎず、日常の光や四季の移ろいに愛の深まりを重ねるのが要点。映画の物語が抱える喪失の影も背後に漂い、甘美さとほろ苦さが同居するため、単なる恋の賛歌ではなく“人生の記憶”としての愛をテーマにしている点が、長く支持される理由です。

歴史的背景

原曲はフランシス・レイによる映画『ある愛の詩』のメイン・テーマ。公開後、その旋律の人気を受けてカール・シグマンが歌詞を付け、ボーカル曲として広まりました。レイは本作のスコアでアカデミー賞作曲賞を受賞し、同テーマは映画音楽史に残るラブ・テーマとして定着。インストが先行し、その成功を受けて歌詞版が誕生するという流れは、映画音楽がポップ・フィールドと交差する典型例としてもしばしば言及されます。

有名な演奏・映画での使用

最も広く知られる歌唱の一つがアンディ・ウィリアムスの録音で、彼の柔らかなバリトンが曲の包容力を引き立てました。ほかにシャーリー・バッシー、ジョニー・マティスなど、多数のシンガーがレパートリーに加えています。映画本編では主としてインストゥルメンタル版が用いられ、歌詞付きはシングルやアルバム、テレビ出演などを通じて浸透しました。旋律自体が強いアイデンティティを持つため、器楽版・歌詞版の双方で親しまれています。

現代における評価と影響

今日でも本曲は“ロマンティック・バラードの定番”として国内外で継続的に録音・演奏され、クロスオーバーやジャズ寄りの編曲でも再解釈が行われています。映画主題歌とポップ・ソングの二重の顔を持つため、シネマティックなストリングスを強調する版から、ピアノ主体の親密なバージョンまで幅広い解釈が可能。メロディの普遍性と歌詞の普遍的主題が、世代やジャンルを超えた支持を支えています。

まとめ

「Where Do I Begin (Love Story)」は、映画音楽の名旋律に言葉が宿り、独立したポップ・バラードとして花開いた代表例です。フランシス・レイの美しい旋律とカール・シグマンの簡潔で余韻ある詩が融合し、愛の喜びと喪失の影を一体に描き出します。インストと歌詞版の両輪で受け継がれるその魅力は、これからも色あせることはないでしょう。