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Wichita Lineman

  • 作曲: WEBB JIMMY L
#洋楽ポップス
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Wichita Lineman - 楽譜サンプル

Wichita Lineman|歌詞の意味と歴史

基本情報

1968年にJimmy Webbが作詞・作曲し、グレン・キャンベルが最初に録音して大ヒットさせたポップ/カントリー曲。キャンベルのアルバム『Wichita Lineman』および同年のシングルとして発表され、以後、彼の代表曲として知られる。電線の保守を担う“ライナマン”の日常と心情を描く、詞と旋律の融合が特徴。

歌詞のテーマと意味

語り手は広大な平原で孤独に作業する通信線の作業員。任務への責任感と、遠く離れた相手への強い思慕が並行して語られる。自然や機器の描写が比喩となり、日常音の中に相手の気配を聴き取ろうとする姿が浮かぶ。欲求よりも切実な“必要”へと感情が深化していく構図が、簡潔な語数の中で大きな余韻を生む。

歴史的背景

ウェッブは米国南西部を走行中、オクラホマ州ウォシタ郡で一本の電柱に登る作業員を見かけた体験から着想を得たと語っている。カントリーとポップの垣根が薄れる1960年代末の潮流の中で、本作はオーケストレーションとギターを溶け合わせ、越境的なサウンドを提示。タイトルは“Wichita”だが、物語の具体的舞台は明示されない。

有名な演奏・映画での使用

決定版はグレン・キャンベルの録音。以降、ジョニー・キャッシュ、ジェームス・テイラー、R.E.M.など多くのアーティストがカバーし、Pat Methenyらによるインスト版も高評価を得た。映画での顕著な使用例については情報不明だが、テレビやライブでの演奏は数多い。

現代における評価と影響

本作はしばしば“20世紀ポピュラー音楽の重要曲”として言及され、各種名曲リストでも高く評価されている。未完の物語性、移調や和声の滑らかな推移、印象的なギターフレーズとストリングスが、多ジャンルの作曲家・演奏家に影響を与えた。カントリー・ポップの美学を定義づけた一曲として現代でも参照され続ける。

まとめ

「Wichita Lineman」は、労働の孤独と愛の切実さを静かに結びつけた作品。簡潔な言葉と豊かな情景、洗練された編曲が時間を超えて共感を呼ぶ。出自や細部の舞台設定以上に、普遍的な感情の核を描き切ったことが、今なお歌い継がれる理由である。