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Wooden Heart
- 作曲: KAEMPFERT BERT,TWOMEY KATHLEEN G KAY,WEISMAN BEN,WISE FRED

Wooden Heart - 楽譜サンプル
Wooden Heart|歌詞の意味と歴史
基本情報
Wooden Heart(ウドゥン・ハート)は、Bert Kaempfert、Kay Twomey、Ben Weisman、Fred Wiseの共作によるポップ・ソング。1960年に映画『G.I.ブルース』のために制作され、ドイツ民謡「Muss i denn(ムス・イ・デン)」の旋律を下敷きに英語詞とドイツ語フレーズを織り交ぜた構成が特徴。3拍子のやさしいワルツで、歌詞付きの大衆歌として広く親しまれている。
歌詞のテーマと意味
タイトルの“木の心”は、硬く傷つきにくい比喩であると同時に、不器用さや素朴さを象徴するモチーフ。語り手は、相手に誠実さと変わらぬ愛を誓い、心を壊さないでほしいと願う。英独の言葉が交互に現れることで、距離や文化の違いを越える思いが強調される。映画内では人形劇の場面と結びつき、操り人形=“木”のイメージが純真さを際立たせている。
歴史的背景
原型となった「Muss i denn」は19世紀にFriedrich Silcherが広めた旋律として知られ、ドイツ語圏で長く歌い継がれてきた。1950年代末、米軍兵役でドイツに駐留していたエルヴィス・プレスリーの映画企画と相まって、国民的民謡を当時のポップ文脈へ架橋する形で「Wooden Heart」が誕生。欧州の哀愁とアメリカン・ポップの洗練を3拍子の枠内で巧みに融合させた。
有名な演奏・映画での使用
最も知られるのは映画『G.I.ブルース』(1960)でのエルヴィスの歌唱。劇中での温かなパフォーマンスは同作のハイライトとなり、彼の録音は1961年に英国チャートで首位を獲得した。一方、米国ではジョー・ダウェルのカバーが1961年にBillboard Hot 100で1位を記録。以降も多くの歌手が録音し、テレビ番組やバラエティでしばしば引用されている。
現代における評価と影響
民謡由来の親しみやすさと、国境を越える言葉のミックスは、今日でも世代を問わず受け入れられている。結婚式や家族向けのイベント、レトロ・ポップのプレイリストで定番化し、異文化交流を象徴する楽曲として音楽教育の題材にも選ばれることがある。エルヴィス作品の中でも優美な抒情を示す一曲として再評価が続く。
まとめ
民謡の根を持つ旋律に新しい詞と解釈を与え、映画を通じて世界的ヒットとなった「Wooden Heart」。やさしいワルツに込められた誠実さのメッセージは、時代を越えて響き続けている。