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The Wreck of The "John B"
- 作曲: P D,HAYS LEE,SANDBURG CARL

The Wreck of The "John B" - 楽譜サンプル
The Wreck of The "John B"|歌詞の意味と歴史
基本情報
本曲はバハマに伝わる民謡で、別題Sloop John Bとしても広く知られる。掲出の作曲者表記(P D,HAYS LEE,SANDBURG CARL)は、伝承曲の採集・編曲に基づくクレジットで、固有の作者は情報不明。英語詞を伴う歌物で、海の労働歌の趣を残す反復的コーラスが特徴。
歌詞のテーマと意味
物語はジョン・B号の航海で起こる災難を乗組員の視点で語る。酔い騒ぎや口論、逮捕沙汰などの不運が重なり、語り手は家に帰りたいという願いを繰り返す。ユーモアとやりきれなさが交錯し、船乗りの日常とホームシックを普遍的に浮かび上がらせる。
歴史的背景
起源はバハマの船乗りたちの口承。20世紀初頭に採集され、1927年にカール・サンドバーグの歌集『The American Songbag』へ掲載されたことで広く知られるようになった。以後、アメリカのフォーク・リバイバルで標準曲となり、地域や歌い手ごとに歌詞や配列が変奏された。
有名な演奏・映画での使用
代表的録音として、ビーチ・ボーイズのSloop John B(1966)が国際的ヒットとなり、アルバム『Pet Sounds』収録曲としても周知された。ほかにザ・ウィーヴァーズ、ザ・キングストン・トリオなど多数が取り上げ、フォークからポップまで幅広い解釈が存在。映画での使用は情報不明。
現代における評価と影響
現在もフォーク/シー・ソングの古典として、合唱やアコースティック編成、教育現場まで広く歌われる。失敗談を軽妙に語る構成と覚えやすい旋律は観客参加型にも適し、世代を超えて定着。民謡がポップに橋渡しされるプロセスの教材としても評価される。
まとめ
「The Wreck of The "John B"」は、伝承発の物語性と印象的コーラスにより、民謡から大衆音楽へ横断した稀有な曲である。起源や決定的作者は情報不明ながら、数々の名演が魅力を更新し続け、海と旅、帰郷願望という普遍の感情を今なお伝えている。