Breezin’
- 作曲: WOMACK BOBBY

Breezin’ - 楽譜サンプル
Breezin’|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「Breezin’」は、ボビー・ウーマック作のインストゥルメンタル。初出はギタリストのガボール・ザボーが1971年に録音・発表し、1976年にはジョージ・ベンソンが同名アルバムで取り上げて国際的な知名度を確立した。器楽曲のため歌詞情報は情報不明で、現在はスムース・ジャズの定番として広く演奏される。
音楽的特徴と演奏スタイル
中庸テンポの軽やかなグルーヴに、ラテン/ボサ由来の揺らぎをほのかに感じさせるのが持ち味。流麗で口ずさみやすい主題がギターで歌われ、和声は開放感のある進行で滑らかな推進力を生む。ベンソン版ではオクターブ奏法やレガート主体のフレージング、ストリングスを伴う上品なアレンジが印象的だ。
歴史的背景
1970年代初頭はジャズとポップ、R&Bの垣根が低くなり、クロスオーバーの潮流が拡大した時期。「Breezin’」はその文脈で誕生し、ジャズ・ギターの妙味とポップの聴きやすさを両立。ザボーの録音が橋渡しとなり、1976年のベンソン版が幅広いリスナーへ届くきっかけとなった。
有名な演奏・録音
代表的録音は、ガボール・ザボーの1971年盤と、ジョージ・ベンソンの1976年アルバム『Breezin’』収録ヴァージョン。後者はトミー・リピューマのプロデュース、クラウス・オガーマンのオーケストレーションにより、洗練と温もりを兼ね備えた決定版として評価が定着。以降も多くのギタリストがカバーしている。
現代における評価と影響
今日ではスムース・ジャズを象徴する1曲として、コンサートやラジオ、配信プレイリストで定番化。メロディ主導の構成は入門者にも親しみやすく、同時にアドリブの余地が大きいため演奏家にとって学びがいがある。ギター表現の音色・ダイナミクスを磨く教材としても重用される。
まとめ
親しみやすさと洗練を兼ね備えた「Breezin’」は、作曲家ウーマックの才気とジャズ・ギターの魅力を結晶化させた名曲。世代を超えて演奏され続ける理由がここにある。