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Comecar De Novo

  • 作曲: LINS IVAN GUIMARAES,MARTINS VITOR
#洋楽ポップス
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Comecar De Novo - 楽譜サンプル

Comecar De Novo|歌詞の意味と歴史

基本情報

原題はポルトガル語のComeçar de Novo(コメサール・ジ・ノーヴォ)。作曲イヴァン・リンス、作詞ヴィトール・マルチンス。1979年に発表され、ブラジルのTVドラマ『Malu Mulher』の主題歌として広く知られた。MPBの代表的バラードで、ポルトガル語版に加え、英語詞The Island(アラン&マリリン・バーグマン)でも流布している。

歌詞のテーマと意味

タイトルが示す通り“もう一度始める”ことが中心テーマ。別れや喪失を経た語り手が、痛みを抱えつつも希望を捨てず、静かな決意で前に進む様子を描く。直接的な悲嘆の表現は抑えられ、内省的な語りと柔らかなメロディが、余韻のある救いと成熟した愛の姿勢を伝える。歌詞の具体的状況は普遍化され、聴き手が自身の再出発へ重ねやすい。

歴史的背景

1970年代末のブラジルは政治的な緩和が進み、社会の再生や個の自立が注目された時期。女性の視点を正面から扱ったドラマ『Malu Mulher』(TV Globo)とともに、この曲は“再出発”という時代的キーワードを象徴する存在となった。作家コンビの洗練された語彙とハーモニー感覚が、MPBの成熟を示す証左として評価されている。

有名な演奏・映画での使用

初期の決定的なヒットはシモーニ(Simone)の歌唱で、イヴァン・リンス自身も数多く録音・演奏してきた。英語版The Islandはジャズ/ポップ界で標準曲化し、多様な歌手やインストゥルメンタリストに取り上げられている。映像作品への二次使用は、同ドラマ以外は情報不明だが、テレビ特番やコンサート映像での採用例は多い。

現代における評価と影響

今日ではブラジル音楽のスタンダードとして、大学・音楽学校のレパートリーやライブの定番に定着。ポルトガル語版の韻律と英語版の可塑性が併存し、ボーカルとピアノ/ギターのデュオからアンサンブルまで幅広い編成に適応する。ストリーミング時代にも新規リスナーを獲得し、失意から立ち上がる普遍的メッセージが世代を超えて響いている。

まとめ

個人的な喪失を普遍の希望へ昇華した名作。Começar de Novoは、1979年の誕生から現在まで、人生の節目に寄り添うMPBの象徴的バラードとして愛され続ける。言語や国境を越え、多彩な解釈を生む懐の深さが、その永続的な魅力の核心だ。