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Diamonds Are Forever
- 作曲: BARRY JOHN

Diamonds Are Forever - 楽譜サンプル
Diamonds Are Forever|作品の特徴と歴史
基本情報
『Diamonds Are Forever』は、1971年公開の映画『007 ダイヤモンドは永遠に』の主題歌。作曲はジョン・バリー、作詞はドン・ブラック、歌唱はシャーリー・バッシー。ボンド・シリーズを象徴する艶やかなサウンドと圧倒的なボーカルで知られ、サウンドトラック全体にも主要主題として繰り返し用いられる。
音楽的特徴と表現
グリッサンドを多用するハープ、煌めくストリングス、ミュート・ブラスと低音のリズムが重なり、宝石の光沢と危うさを同時に描く。旋律は半音階的な動きを含み、官能と不穏さを同居させるのがジョン・バリー流。バッシーの力強いビブラートが楽器群と拮抗し、テーマの緊張感を高めている。ダイナミクスの起伏と和声の陰影が、諜報スリラーの世界観を音だけで提示する。
歴史的背景
本作はシリーズ第7作でショーン・コネリーが復帰した節目の作品。『ゴールドフィンガー』以来、バッシーとバリー、ブラックの黄金トリオが再結集し、60年代に確立された「ボンド・サウンド」を70年代的な華麗さへと更新した。録音制作の詳細やセッション人員は情報不明だが、完成度の高さは当時から広く評価され、主題歌は映画のブランド価値を強固にする役割を担った。
使用された映画・舞台(該当時)
映画ではメインタイトルでフル尺が流れ、劇中ではテンポや編成を変えたインストゥルメンタル版が随所で登場。ラウンジ風アレンジやサスペンス場面向けの短いモチーフなどに分割され、物語の舞台移動や陰謀の進行を音楽面から補強する。公開時の舞台公演や別媒体での同時使用については情報不明。
現代における評価と影響
『Diamonds Are Forever』はボンド主題歌の中でも特にアイコニックな一曲として位置づけられ、後続の主題歌における官能的でラグジュアリーな質感の規範となった。多数のカバーや再解釈が生まれ、2005年にはカニエ・ウエストが「Diamonds from Sierra Leone」でボーカルをサンプリングするなど、ポピュラー音楽全体にも強い影響を与えた。広告やイベントでも継続的に用いられ、その知名度は世代を超えている。
まとめ
きらめく編曲、美声とダークな和声、映画的ドラマの三位一体がこの楽曲の核心である。ジョン・バリーの作曲とドン・ブラックの言葉、バッシーの歌唱が結晶化した結果、映画の枠を超える永続的な魅力を獲得した。『Diamonds Are Forever』は「ボンド・サウンド」の到達点であり、映画音楽史における重要作として今日も強い存在感を放ち続けている。