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Dragnet
- 作曲: ROZSA MIKLOS,SCHUMANN WALTER

Dragnet - 楽譜サンプル
Dragnet|作品の特徴と歴史
基本情報
ROZSA MIKLOS(ミクロス・ローザ)とWALTER SCHUMANN(ウォルター・シューマン)による『Dragnet』は、米国の刑事ドラマ『Dragnet』のための主題音楽。初出はラジオ版(1949)で、のちテレビ版(1951-)や映画版(1954)にも受け継がれた。楽曲は主にブラスと打楽器を軸とするオーケストラ編成で、歌詞は存在せず純器楽曲である。
音楽的特徴と表現
冒頭の四音モチーフ“ダン・ダ・ダン・ダン”を反復し、スネアやティンパニの鋭いリズム、低音ブラスのユニゾンで緊迫感を作る。短調の和声と断続的なアクセントが捜査の緊密さと権威の重みを象徴。数秒で状況を提示する機能美と高い記憶性が核となる。
歴史的背景
戦後のラジオからテレビへの移行期に、番組のリアリズム志向と結びつき“音の記号”として定着。ローザの映画『殺人者たち』(1946)のモチーフとの関連が指摘され、クレジットに両名が並記される形が広まったが、法的手続きや詳細は情報不明。
使用された映画・舞台(該当時)
主用途は『Dragnet』シリーズ。ラジオ版(1949-)、テレビ初期シリーズ(1951-1959)、カラー再起動『Dragnet 1967』(1967-1970)で変奏を伴い用いられ、劇場映画『Dragnet』(1954)でも中心テーマとして機能。1987年の映画『Dragnet』でも引用が確認される。
現代における評価と影響
この四音は世界的に“警察もの”の代名詞となり、パロディ、CM、教育映像などで頻繁に引用。ジャズやポップスへの編曲も多く、レイ・アンソニー楽団の録音はヒットとして知られる。音楽がジャンル記号として働く好例として、メディア研究でも言及が続く。
まとめ
『Dragnet』は、最小限の素材で最大の機能を発揮する主題音楽の古典。短い動機、明快なリズム、堅牢なオーケストレーションで物語の緊張を即時に伝える。“あの音”は今日も普遍的な記憶装置として生きている。