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Epistrophy

  • 作曲: CLARK KENNETH S, MONK THELONIOUS S
#スタンダードジャズ
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Epistrophy - 楽譜サンプル

Epistrophy|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Epistrophyは、セロニアス・モンクとドラマーのケニー・クラークが共同で作曲したジャズ・スタンダード。主にインストゥルメンタルとして演奏され、ビバップ期を象徴する代表曲の一つとされる。正式な初演年や初録音の詳細は情報不明だが、以降モンク自身のレパートリー中核を占め、世代を超えて演奏され続けている。

音楽的特徴と演奏スタイル

鋭角的で記憶に残る主題、意表を突く休符とアクセント、半音階的な進行が特徴。ドラムのポリリズムやリズム・ディスプレイスメントが映え、ピアノとドラムの対話性が強調される。テンポ設定はミディアムからアップが多く、アドリブではモチーフの変形やリズムのずらしを用いた構築が好まれる。和声はビバップ由来のテンションを含み、各パートの相互作用が音楽の推進力となる。

歴史的背景

ビバップ勃興期のニューヨークで生まれ、和声・リズム両面で当時の革新性を体現した作品。モンクの独自語法と、クラークの近代的ドラミングの結節点として重要で、コンボ編成における曲間の「テーマ」としての機能も確立した。成立過程の細部や命名の経緯は情報不明だが、モダン・ジャズへの転換を示す重要曲として認知されている。

有名な演奏・録音

作曲者モンクによる多数のスタジオ/ライブ録音が存在し、ステージではクロージング・テーマとして用いられることも多かった。加えて、後続世代のピアニスト、サックス奏者、ビッグバンドまで広く取り上げられ、アレンジの幅も大きい。個別の初出や映画での使用に関する確証ある情報は情報不明だが、録音史上でのプレゼンスは非常に高い。

現代における評価と影響

今日では、モダン・ジャズの語彙を学ぶうえで欠かせない教材曲として定着。強靭なリズム設計と反復動機の扱い方が研究対象となり、ジャム・セッションでも頻出する。演奏者には高度なリズム感とハーモニー運用が求められ、バンドの相互作用を可視化するリトマス試験紙のような役割を担う。教育現場や理論研究においても参照される機会が多い。

まとめ

Epistrophyは、シンプルな素材から複雑な相互作用を生む設計が魅力の名曲。ビバップの精神とモンク流の美学を体現し、今なお解釈の余地を広く残す。初出の詳細こそ情報不明だが、演奏現場での生命力は衰えず、学習・鑑賞の双方で価値が高い。これから聴く人にも、演奏する人にも開かれたスタンダードである。