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アーティスト情報なし

Estate

  • 作曲: MARTINO BRUNO
#ボサノバ#スタンダードジャズ
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Estate - 楽譜サンプル

Estate|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Estate」はイタリアの作曲家・歌手ブルーノ・マルティーノが1960年に発表した楽曲。作詞はブルーノ・ブリゲッティ。もとは伊語のカンツォーネだが、後年ジャズ界で広く取り上げられスタンダード化した。題名はイタリア語で「夏」を意味する。歌詞全文は非掲載。

音楽的特徴と演奏スタイル

哀愁を帯びたマイナー調の旋律線と滑らかな半音進行、豊かなII–V進行が特徴。バラードからミディアムのテンポで演奏され、ボサノヴァのフィールを借りる解釈も多い。前奏のルバート、終盤の転調やテンション和音で陰影を描き、歌詞の内省に寄り添う。器楽でも歌唱でも、間合いとダイナミクスが鍵となる。

歴史的背景

発表当初はイタリアン・ポップとして親しまれたが、1960年代後半以降、欧米のジャズ・ミュージシャンがレパートリーに採用し国際的に浸透。イタリア発のメロディとジャズの語法が滑らかに融合したことで、クラブやコンサートで定番化した。現在では欧州を中心に、世界のジャズ教育現場でも扱われる楽曲となっている。

有名な演奏・録音

代表的な録音には、作曲者ブルーノ・マルティーノ自身の歌唱版のほか、ジョアン・ジルベルトの「Amoroso」(1977)、ミシェル・ペトルチアーニのアルバム「Estate」(1982)、シャーリー・ホーンの「You Won’t Forget Me」(1991)などが知られる。多様なテンポや編成での解釈が聴きどころ。

現代における評価と影響

「Estate」は叙情性と和声の奥行きが評価され、ボーカルと器楽の双方で頻繁に取り上げられる。ジャム・セッションでも定番で、ボサ風からストレートアヘッドまで幅広いアレンジが成立。映画やCMでの使用情報は地域差があり、網羅的な一覧は情報不明だが、楽曲自体の認知は年々拡大している。

まとめ

イタリア生まれのポピュラー曲が、歌詞の哀感とジャズの語法により世界標準のレパートリーへと昇華した好例。繊細なフレージングと和声理解が要求される一方、シンプルな美しさも併せ持つ。初めて聴く人にも、名演を聴き比べることで作品の多面性が伝わるはずだ。