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You Must Believe In Spring (Simple Chords)

  • 作曲: LEGRAND MICHEL JEAN, DEMY JACQUES LOUIS RAYMOND MARCEL
#洋楽ポップス#スタンダードジャズ#ムードミュージック
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You Must Believe In Spring (Simple Chords) - 楽譜サンプル

You Must Believe In Spring (Simple Chords)|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「You Must Believe In Spring (Simple Chords)」は、ミシェル・ルグラン作曲、ジャック・ドゥミにより仏語詞が与えられ、後年アラン&マリリン・バーグマンの英語詞でも広まった楽曲。映画音楽に端を発し、現在はジャズ・スタンダードとして定着。タイトルにある“Simple Chords”は、簡易コード進行で学習・演奏する版を示す呼称で、詳細な版元や編曲者は情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

叙情的で広い音域を使う旋律、転調感を伴う和声運び、繊細なブリッジが特徴。テンポはバラード〜ミディアムで演奏されることが多く、ルバートのイントロやピアノの分散和音による導入も定番。ジャズではテンション・コードや代理和音で豊かに彩られるが、Simple Chords版では主要三和音と基本的なII–V–Iを中心に据え、歌やメロディ重視の伴奏に適する。

歴史的背景

本曲の原型は、ジャック・ドゥミ監督作『ロシュフォールの恋人たち』(1967) で用いられたルグランの旋律群に由来し、英語詞「You Must Believe In Spring」として独立して歌われるようになった。1970年代以降、米国ジャズ・シーンで取り上げられる機会が増え、クラブ、ラウンジからコンサートまで幅広い現場で定番化した。初出年や出版形態の詳細は情報不明。

有名な演奏・録音

代表的な録音として、ビル・エヴァンスのアルバム『You Must Believe in Spring』(1981, 録音は1977) が広く知られる。ルグラン自身もオーケストラ編成やピアノを軸にたびたび演奏しており、映画音楽家としての洗練とジャズ的語法の橋渡しを示した。加えて、多くのジャズ・ヴォーカリスト、ピアニストによるカバーが存在するが、網羅的リストは情報不明。

現代における評価と影響

メロディ中心の歌唱曲としても、ハーモニー探求型の器楽曲としても成立する柔軟性が評価され、スタンダード曲集やレパートリーに定着。音大やワークショップでも題材に選ばれることが多く、和声感と抒情性を学ぶ教材として有用視される。映像音楽出自でありながら、ジャズ言語の中で独自の位置を築いた稀有な例である。

まとめ

映画発の抒情的テーマが、英語詞と豊かな和声解釈を得てジャズ・スタンダード化したのが本曲の本質。Simple Chords版は学習者や弾き語りに親和的で、旋律の美しさを前面に出すアプローチに向く。歴史的背景や名演を踏まえ、歌・器楽いずれでも、春への希求を静かに歌い上げる一曲として位置づけられる。