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James Bond Theme

  • 作曲: NORMAN MONTY
#洋楽ポップス#映画音楽
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James Bond Theme - 楽譜サンプル

James Bond Theme|作品の特徴と歴史

基本情報

「James Bond Theme」は、スパイ映画『007』シリーズを象徴するテーマ曲。作曲者はMonty Norman(表記: NORMAN MONTY)。初出は映画『007 ドクター・ノオ』(1962年)で、以降シリーズを通じて繰り返し用いられてきた。歌詞は存在せず、エレキギター、ブラス、サックス、パーカッションを核にしたバンドとオーケストラの編成で演奏されることが多い。ジャンル的には映画音楽に位置づけられ、劇伴の枠を超えて単独のアイコンとして知られる。

音楽的特徴と表現

最大の特徴は、ディク・デイル系のサーフ・ギターを想起させるリバーブ豊かなエレキギターによるリフと、緊張感を生む半音階的モチーフ。マイナーな調性感の中で、低音のオスティナートとブラスの鋭いスタッブが推進力を生み、スウィングの語法やビッグバンドのアタックを融合させた編曲がスリルと洗練を同時に描く。サックスのグロウルやトランペットのハイトーン、シンコペーションの強調により、潜入・追走・決戦といった場面転換にも耐える汎用性を確保。主題は短い動機で覚えやすく、変奏やテンポ変更に強い設計が特徴である。

歴史的背景

1962年、『ドクター・ノオ』で初披露。録音と編曲面ではジョン・バリーによるアレンジが決定的なサウンドイメージを確立し、以降の『007』音楽の基調となった。テーマはシリーズのブランド確立に寄与し、映画音楽における「スパイの語彙」を一般化。作曲者のクレジットはMonty Normanに帰され、長年にわたり継続的に使用・再録音が行われている。

使用された映画・舞台(該当時)

初出の『ドクター・ノオ』以降、ガンバレル(銃口)・シークエンスやアクション、タイトル前後の緊張を要する場面を中心にシリーズ各作で反復使用。時代や作品ごとにテンポ、キー、編成が調整され、ロック寄りのサウンドやシンフォニックな拡張など多様なバリエーションが登場した。劇場用予告編、テレビ放送、公式アルバムの再録音でも頻繁に採用され、作品世界のアイデンティティを一聴で伝える役割を担っている。

現代における評価と影響

「James Bond Theme」は、スパイものを想起させる音楽的記号の代名詞として定着。広告、番組BGM、コンサートのアンコールなどでの引用・パロディが広く見られ、映画音楽史における代表的テーマの一つと評価される。音大や映画学校の教材としても取り上げられ、モチーフ設計、編曲、ブランディング効果の観点から研究対象となっている。録音技法やギターサウンドは、後続の映画・テレビのスパイ音楽のテンプレート形成にも影響を与えた。

まとめ

短い動機と鮮烈なサウンドでキャラクター像を即時に伝える設計、編曲の柔軟性、シリーズ横断の継続使用という三点が本テーマの核。作曲はMonty Norman、映像との結びつきと音楽的完成度が相まって、映画音楽の普遍的アイコンへと昇華した。