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Let Yourself Go

  • 作曲: BERLIN IRVING
#スタンダードジャズ
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Let Yourself Go - 楽譜サンプル

Let Yourself Go|楽曲の特徴と歴史

基本情報

作曲家アーヴィング・バーリンが1936年のRKO映画『艦隊を追って(Follow the Fleet)』のために書いたポピュラー・ソング。映画ではジンジャー・ロジャースが歌い、フレッド・アステアとのダンス・ナンバーとして用いられた。現在はジャズ・スタンダードとして取り上げられることが多く、歌詞を伴う楽曲である。初出年は1936年、作詞者もバーリン本人。

音楽的特徴と演奏スタイル

軽快なスウィングの4ビートで、ダンス・フロアに直結する推進力が魅力。タイトルのフレーズがリフレインし、“肩の力を抜いて踊ろう”と促す内容がビート感と密接に結び付く。歌唱では明瞭なディクションと躍動的なアクセントが効果的で、ビッグバンド編成でもコンボでも映える。ブレイクやストップタイムを交え、ダンサーのステップを際立たせるアレンジもよく用いられる。

歴史的背景

1930年代半ばのハリウッドはミュージカル映画の隆盛期。バーリンは多くの映画に楽曲を提供し、本作もその流れの中で生まれた。『艦隊を追って』は海軍水兵を題材にしたアステア&ロジャース作品の一本で、歌とダンスが物語を運ぶ構成が特徴。明るいスウィングの曲調は、当時の観客に軽やかな娯楽を届ける役割を担った。

有名な演奏・録音

映画本編のジンジャー・ロジャースによるパフォーマンスは最初期の決定版として知られる。フレッド・アステアは同年に商業録音を残し、スクリーンの魅力をレコードにも定着させた。ジャズではエラ・フィッツジェラルドが1958年の『Sings the Irving Berlin Song Book』(Verve)に収録し、レパートリーとしての地位を強固にした。

現代における評価と影響

今日ではスウィング・ダンスのイベントやジャズ・ヴォーカルのステージで定番的に取り上げられる。メロディの覚えやすさと快活なメッセージ性が世代を超えて機能し、映画音楽発のポピュラー曲がスタンダードへと定着していく典型例としても参照される。映像作品や舞台のレビューでの再演も見られるが、詳細な使用例の網羅は情報不明。

まとめ

Let Yourself Goは、映画発のポップ・チューンがジャズの現場で生き続けることを示す好例。バーリンならではの歌いやすい旋律と明快なメッセージ、ダンスと親和するスウィング感が、初演から現在に至るまで曲の鮮度を保ち続けている。入門にも、セットのテンポを上げたい場面にも有用な一曲だ。